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医療保険のタブー  原発事故の影響で、「がん保険」がなくなる!?

宝島 7月25日(水)11時53分配信

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医療保険のタブー  原発事故の影響で、「がん保険」がなくなる!?

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医療保険のタブー  原発事故の影響で、「がん保険」がなくなる!?
がん保険加入数が、2011年度には目に見えて上がった。 もし2012年度も増加すれば、そう遠くない未来に「がん保険」 がなくなるという(アフラック発表資料より作成)

政府(枝野官房長官・当時)が「ただちに影響はない」と説明した放射性物質の影響で、
がん保険がなくなるかもしれない。知らないでは済まされない、医療保険のタブー!

■ひそかに増えていたがん保険加入者
 東北地方を中心にがん保険加入者が増えている――そんな噂が、保険業界周辺で
まことしやかに囁(ささや)かれていることをご存じだろうか。原因とされてるのは
もちろん、福島原発から漏れ続ける放射能だ。福島県内では7月に入っても、毎時
35マイクロシーベルトと、一日の平常値から約500倍もの放射線量を観測中。
この高放射線量が将来的ながん発症リスクを高めるという不安が、がん保険加入を
加速させているらしい。

 そこで、実際にがん保険の加入者数は増加しているのか、東京海上、ネクスティア、
アクサ、日本生命、明治安田など、大手保険会社に問い合わせたところ、アメリカン
ファミリー生命保険(アフラック)だけが明確な解答をくれた。それによれば、
2011年度のがん保険加入者数は前年比18・5%の増加。また、データ開示は拒否
しながらも、「確かに原発事故から、問い合わせは増えている」と回答した保険会社も
あった。がん保険加入者増加の噂は、デタラメではなさそうだ。さらに保険販売員の
G氏に話を聞くと、驚くべき話が次々に飛び出した。

■医師と保険会社が知る“人気殺到”の理由
 「福島県内で加入者数が増えているのは、業界内では常識。そのおかげで成績倍増など
という景気のいい話さえありますよ」G氏はそう語り出す。「保険加入そのものが増えた
きっかけは、昨年の原発事故で間違いありません。なかでも、親が子どもにがん保険をかける
例が目立ちます。40歳以上の大人なら諦めもつきますが、先の長い子どもはなんとか
手を打っておいてあげたい、という思いが強いようです」未来ある子どもを少しでもリスク
から遠ざけたい、そんな親心の表れであろうか。その証拠に、加入者の平均年齢は震災を
境に下がっているという。

 「実は、福島県に限らず、都内でもがん保険加入者は増えています。特に人気がある
のは、がんと診断されると入院・通院にかかわらず一生または完治まで毎年一定額が
支払われ、保険料の支払いも免除される保険です」(G氏)そもそも、放射能の影響が
今後顕著に現れてくるだろうことは、医師の間でも自明のこととされている。事実、
福島県南相馬市の渡辺病院では震災後、若い層を中心に医師と看護師がいなくなった。
理由はもちろん、放射能に対する不安からだ。放射能の怖さをよくよく知っている立場
だからこそ、彼らは福島を真っ先に離れたのだ。

 「医師からのリークにより、放射能の影響の深刻さを理解している保険業界が対策を
立て始めるのは時間の問題。将来的な保険金支出の増大がわかっているようなものです
から、保険の販売を一時中断したり、販売代理店への手数料を引き下げて、実質的に
販売させないというような手を使ってくるかもしれません」(G氏)

■もうすぐなくなる!?がんの治療保障
 G氏は、将来的には保険料が値上げされるという。「医療保険は金融庁の認可製品
なので、保険料を簡単には変えられません。しかし、数年後には保険料引き上げの
可能性があります。もちろん、その際には『平均寿命が伸びたため』などという
もっともらしい理由になるでしょう。間違っても『過去の被曝によってがん発症リスクが
高まった』などとは言えませんから」

 実際にがん発症件数が目にみえて増加していけば、がん保険の保障が見直されることは
確実。さらに、商売として成り立たなくなる日が来ることも否めない。そうなれば、がん保険
そのものがなくなることも充分に考えられる話だ。つまり、日本人の死亡原因の第一位で
あるがんを発症しても、安心して治療を受けることができなくなるのである。がん保険に
加入できる最後の機会は、目前にまで迫ってきているのかもしれない。

取材・文/オフィス三銃士

最終更新:7月25日(水)11時53分

宝島

 

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