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上の箱ひげ図の箱は、データの25~75パーセンタイル値を表し、真ん中の水平の実線が中央値を示す。Image: Min et al./Current Biology


研究チームは、『養世系譜』という系図に記録されていた内侍81人の寿命を割り出した(朝鮮王朝時代は内侍も家庭を持つことができ、幼い内侍を養子に迎えて代を引き継いでいた)。彼らの平均寿命は70歳だった。

研究チームは次に、内侍と同様の社会的地位にあった3つの貴族(両班)の家系から男性の寿命を調べた。3家系の平均寿命は51~56歳で、内侍に比べて寿命が14~19年短かった(さらに、王の平均寿命は45歳、男性王族は47歳だった)。

内侍の中には、100歳以上生きた者も3人いた。100歳以上というと、現在の平均寿命をも大きく上回る数字だ。

「現在、100歳以上の人は日本で3,500人に1人、米国で4,400人に1人だ。したがって、朝鮮王朝時代の宦官における100歳以上の人の割合は、現在の先進国を少なくとも130倍上回る計算になる」と研究チームは論文の中で述べている。

ただし、この結果は興味深いものではあるが、結論につながるものではない。時代を経ているだけに、比較対象の家系に伝わる健康上の形質など、結果に影響を及ぼす他の因子を除外することは困難だ。

TEXT BY BRANDON KEIM
TRANSLATION BY ガリレオ -高橋朋子/合原弘子


WIRED NEWS 原文(English)

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