タッキー「悪党」になるんだ

　人気デュオ「タッキー＆翼」の滝沢秀明（３０）が、フジテレビ系で１１月３０日午後９時から放送される２時間ドラマ「金曜プレステージ特別企画『悪党』」に主演することが、２５日分かった。３年ぶりとなるテレビドラマで、姉を殺され復讐（ふくしゅう）の炎を燃やし続ける探偵を演じる。探偵事務所の所長役で、２００８年に滝沢と親子役を演じた渡哲也（７０）が共演する。

　犯罪被害者遺族の人生という重いテーマを扱う本作は、「天使のナイフ」（０５年）で江戸川乱歩賞を受賞した薬丸岳氏の同名小説を映像化する。

　滝沢演じる佐伯修一は「ホープ探偵事務所」の私立探偵。中学２年だった１５年前、自分の誕生日にケーキを買いに行った姉がレイプされ、殺害されるというつらい過去を持つ。復讐心は消えることなく、仕事の合間に犯人の素行調査を続けているが、自分の行動に疑問も抱き、悩んでいる。しかし、ある依頼の調査対象が姉を殺した主犯だったことで、「この男の魂を殺してやりたい。俺は悪党になるんだ」と決意することになる。

　ジャニーズきっての王子キャラ“タッキー”には意外な配役。陰のある主人公に滝沢を起用した理由を、編成企画担当の太田大氏は「幅広いファン層に支持される滝沢さんに、壮絶な過去を背負った等身大の主人公を演じてもらうことで、今回のテーマを視聴者に身近な問題として捉えてもらえると思った」と説明する。

　一方、渡が演じる木暮正人は、金になる依頼を優先する商売上手の所長だが、事件の核心を見つめる冷静さも持つという役どころだ。滝沢との共演は、０８年１１月のテレビ朝日系「告知せず」での親子役以来、４年ぶりとなる。

　滝沢のテレビドラマ出演は、０９年７−９月のＴＢＳ系「オストロスの犬」以来３年ぶり。滝沢は「豪華なキャストに囲まれ、テレビドラマでの役者・滝沢秀明をお届けできることを大変うれしく思います。尊敬する渡哲也さんとの久々の共演も今から楽しみです」と笑顔で語り、重いテーマについて「この作品は人間の心の奥底の感情を描く。繊細なお芝居でみなさんに楽しんでいただき、一緒になって考えていきたい」と言葉に力を込めた。

　共演は戸田恵子（５５）、要潤（３１）、大杉漣（６０）、奥田瑛二（６２）ら。