イチローが２年ぶりに週間ＭＶＰ　４度目、ヤ軍移籍後初

　【ミネアポリス穐村賢】祝・週間ＭＶＰ受賞でイチ躍動−。大リーグは２４日（日本時間２５日）、ア・リーグの週間ＭＶＰ（１７〜２３日）に、ヤンキースのイチロー外野手（３８）を選出した。古巣マリナーズ時代の２０１０年９月以来４度目、ヤ軍移籍後では初受賞で本人も「このタイミングでの受賞は熱い」とご満悦。バットは好調維持で、２番右翼で出場した同日の敵地でのツインズ戦でも先制に絡む二塁打を放ち、１５日のレイズ戦から続く試合連続安打を「８」に伸ばした。チームの地区優勝マジックは残り９試合で８。和製“安打製造機”として再び覚醒したイチローが、ヤ軍を一気に頂点に押し上げる。

　２年ぶりの栄誉にことのほか冗舌だった。１９〜２３日の６試合で打率６割（２５打数１５安打）、２本塁打、５打点、６盗塁を記録し、２年ぶりに週間ＭＶＰとなったイチローは「このタイミングが熱いですね」とし烈な優勝争いを繰り広げる中での受賞に破顔一笑した。

　マリナーズ時代を含め４度目の受賞となったが「すごいね。オールスターより難しいんだ。毎週チャンスがあるのにね」。１０度出場しているオールスターを引き合いに出して周囲の笑いを誘うなど、試合後も笑みが絶えなかった。

　この日のツ軍戦でも受賞の勢いそのままに、先制点の足掛かりをつくった。３試合連続で２番に入ると、１回無死一塁の第１打席で２ボールからの３球目、外角高め８７マイル（約１４０キロ）のツーシームを強振。右翼フェンス上段を直撃する二塁打で先制の好機を広げた。

　右中間から右翼ポール際にかけて高さ５メートル以上のフェンスがそびえる敵地球場でなければ、柵越え確実の弾丸ライナーで「（ヤンキースタジアムだったら）もう歩いてますよ。ここは僕くらいの選手だと難しいよね。あの壁は」と恨み節も出たが、一方で「でもみんなバコバコ打ってるもんね。簡単に越えていくもん。すごいよね」。計４発を記録した味方打線の破壊力にあらためて驚かされた様子だった。

　残り９試合で地区Ｖマジックは８。地区２位のオリオールズとは９月３日以来となる１・５ゲーム差となったが、依然として予断を許さない戦いが続く。自身にとっては１１年ぶりとなる久々の美酒に向け、イチローがその巧打に磨きをかける。