昨年12月に読売新聞が報じた「日本の歴史教科書は最も抑制的」というスタンフォード大学の調査報告について、スタンフォード大学の学者が雑誌サピオに論文「日米中韓台の比較研究で分かった一番公正な歴史教科書は日本」を寄稿している。
日本の教科書
- 今回比較した中では日本の教科書が最も愛国的記述がなく、戦争の賛美などは全くしていない
- 日本の中国進出についてのくだりは全く事実をそのまま伝えており、当時の軍と政府のリーダーたちの責任だとしている
- 非常に平板なスタイルでの事実の羅列であり、感情的なものがない。
韓国の教科書
- 韓国の教科書は特にナショナル・アイデンティティーの意識の形成に強く焦点を当てている。自分たち韓国人に起こったことを詳細かつ念入りに記述している。
- 韓国の教科書は、中国で起きた戦争に関する記述が希薄だ
- 韓国は日本の中国に対する行為には興味はなく、日本が自分たちに行ったことだけに関心がある
- 私が驚愕した一つの例は、主要な韓国の教科書には広島長崎の原爆投下の記述がないことだ。それほどまでに彼らは自己中心的にしか歴史を見ていない。
米国の教科書
- 米国の教科書は日中戦争について多く語っていない。
- 米国の教科書は、第二次世界大戦について、アジアよりもヨーロッパでの戦争の方により焦点を当てる傾向がある。
- ニュルンベルク裁判についてはたくさんの記述があるが、東京裁判については大変少ない。
中国の教科書
- 歴史学の観点から見て、最も問題が多いのは中国の教科書だ。
- 中国の教科書は全くのプロパガンダになっている。共産党のイデオロギーに満ちており、非常に政治化されている。太平洋戦争に関してほとんど記述がなく、広島・長崎の原爆投下もほとんど言及していない。
- 中国の教科書は2004年に改定されているが、改定後は中国人の愛国心を謳い、日本との戦いを強調している。
- 内戦の話は後退し、抗日戦線での勇ましい描写が増えた。南京事件などをより詳細に記述するなど、日本軍による残虐行為もより強調されている。つまり中国人のナショナリズムを煽っている。
台湾の教科書