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亡き母へのメッセージ保存へ 陸前高田
9月25日 18時14分

亡き母へのメッセージ保存へ 陸前高田
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岩手県陸前高田市で、津波で全壊した公民館の解体工事が本格的に始まるのを前に、公民館で働いていて亡くなった母親に宛てて子どもたちがメッセージを書いた壁を保存する作業が行われました。

岩手県陸前高田市の中央公民館は、棟続きになっている市民体育館とともに市の避難所に指定され、去年3月の津波の際、およそ80人が避難したものの、津波に襲われました。
このうちの1人で、公民館の事務職員だった小松博子さん(当時58)は、避難誘導をしていて亡くなり、その後、2人の娘が「お母さんへ、いつも本当にありがとうね」「天国で私たち家族を見守っててね」というメッセージを壁に書き込みました。
公民館は全壊したため、来月から本格的な解体工事が始まることになりましたが、メッセージの壁の保存を求める1700人分の署名が寄せられたことから、市は保存することに決め、25日から作業が始まりました。
保存作業では、2日かけてメッセージの周りの壁を、高さ1.6メートル、横幅1メートルの大きさで切り取る予定で、業者が慎重に作業を進めていました。
中央公民館の同僚だった佐々木英治さん(40)は、「メッセージは、津波の悲惨さや津波で亡くなってしまった家族への思いを伝えるものなので、しっかりと残してほしいです」と話していました。切り出された壁は、廃校になっている小学校で一時的に保管され、その後、市が正式な保存方法を検討するということです。

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