宮城のニュース

南三陸町防災庁舎の解体陳情 本会議全会一致で採択

 宮城県南三陸町議会9月定例会は25日、町職員ら42人が死亡・行方不明となった町防災対策庁舎の解体をめぐり、職員遺族や町民有志が提出した陳情3件を本会議で採決した。「早期解体」を求める遺族の陳情書を全会一致で採択し、「解体の一時延期」と「保存」を求める陳情を不採択とした。

 陳情が付託された24日の町議会東日本大震災対策特別委では、「なぜ震災のシンボルとして防災対策庁舎を残さなければならないのか」や「大津波の恐怖を後世に伝えるために残すべきだ」など議論が交わされ、早期解体を求める陳情が賛成7、反対6と賛否が拮抗(きっこう)していた。
 議場では早期解体の陳情に署名した10人以上の遺族が採決を見守った。
 長女が行方不明の千葉正志さん(65)は「庁舎があると前へ進めない。町長は議会の意思を尊重して、解体を進めてほしい」と述べ、娘の夫を亡くした千葉みよ子さん(65)は「採決の結果を仏前に報告したい。庁舎の問題で町が混乱し、他の人につらい思いをさせたくない」と話した。
 佐藤仁町長は昨年9月、遺族の心情に配慮し解体の意向を示し、来月末までに取り壊す方針だが、着手時期は未定。
 陳情は8月から今月にかけて相次ぎ提出され、24日の特別委で佐藤町長は「ご遺族の思いは平等に尊重しなければならない。悩ましい」と答弁した。


2012年09月26日水曜日


Ads by Google
宮城
RSS

△先頭に戻る

新着情報
»一覧
特集
»一覧
  • 47NEWS