山内太地の世界の大学見学記
by tyamauch
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世界の大学を見学した大学研究家です。北はケンブリッジから南はホーチミン、西はリスボン、東はマサチューセッツまで行きました。

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福島県いわき市の東日本国際大学がスゴイ事になっている

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1)福島県いわき市の東日本国際大学の某氏にお会いし、この大学の現状を聞くことができた。今回は都内でお話を聞いた予備取材なのでお相手の名前は書かないが、非常に興味深かったので、10月に同大学を訪問することにした。

2)震災後、この大学は大変な事になっているのではと心配していたので、今日、都内で某氏に会い、同大学の現状を伺ってみた。なんと、2012年3月卒の就職率が100%だとのこと。進路未定者はわずか5人しかいない。

3)企業出身の敏腕就職課長が、地元企業に電話しまくって、とにかく全員就職させる!という強い意気込みで熱心に就活支援に取り組んだのだという。同じいわき市でもいわき明星大学はやや就職状況が悪いので、これはすごい。

4)同大学は、学生の1/3は主に中韓の留学生、1/3はスポーツ推薦、1/3が一般学生という、典型的な地方私大だが、これだけ福島原発に近いにも関わらず、帰国した留学生はほぼ全員が帰って来たという。

5)大学は相変わらず定員割れだが、就職実績が良いことが知れ渡り、じわじわと追い風が吹いてきたという。今年は例年になくオープンキャンパスの来場者が多いそうだ。附属高校も、震災後に志願者が激増したのだという。

6)いわき市には、避難者が1万人近くいるそうで、高校や大学の志願者が増えてきたのはその影響も考えられるとのことだった。現在の同大学は、理事長、学長はじめ、教職員も学生も明るく、活気に満ちているのだという。

7)同大学は学生募集にも苦戦しており、長く停滞していたが、震災で未曾有の危機になったことが、大学全体を奮起させ、学校全体が前向きな雰囲気になっているのだという。就職100%もこの風潮を後押ししている。

8)現在のいわき市は、工場も多く、地元に仕事は一杯あるとのことで、被災地だから仕事がないというのは、少なくともいわき市に関しては当てはまらないそうだ。そしてさらに驚くべきことは、震災後の学生たちの変化だという。

9)学生たちは口々に、「早く親孝行がしたい」「恩返しがしたい」というのだそうだ。さらに、「早く結婚したい」「子どもが欲しい」とも言う。震災で家族がバラバラになった経験が、そういう気持ちにさせているのだろうとのこと。

10)「まるで明治時代の学生を見るようだ」とその方は語っていた。授業中に震災で亡くなった家族の話をして泣きだす学生がいると、クラス全員が泣いているという。私は一刻も早く、東日本国際大学に行きたい。(10月につづく)



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by tyamauch | 2012-09-25 19:42 | 日本の大学 | Trackback
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