京都から富士山見える? 研究者解析、好条件そろえば
京都新聞 9月25日(火)9時19分配信
白倉岳から超望遠レンズで富士山(東)方向を見た予想CG。好条件がそろえば富士山頂がわずかに見えるという |
京滋府県境そばの白倉(しろくら)岳(高島市朽木、標高950メートル)や京都府域も含めた周辺の尾根から富士山の頂上が理論上わずかに見えることが研究者の解析で24日までに分かった。空気が澄み切り、遮る木がないなど好条件がそろえば超望遠レンズで見える可能性がある。研究者は「京都から写真を撮影できれば富士山展望史に残る快挙」と情報を求めている。
著書に「『富士見』の謎」などを持ち、富士山の展望を追い続けている筑波大付属高社会科(地理)教諭の田代博さん(62)がコンピューター解析した。
地球の丸さや山々の稜線、大気差(光の屈折)などを考慮した「カシミール3D」というソフトで解析し、超望遠レンズ(約1000ミリ)での見え方予想をCG化した。
解析によると、白倉岳や同岳の一部で南西側の中岳、南岳に連なる尾根の東側から富士山が見える計算になる。伊吹山や南アルプスの山々に視界をさえぎられない奇跡的な地点という。大半は滋賀県域だが、わずかに京都府域も含まれ、田代さんは「京都から富士山が撮れれば史上初」と話す。
これまで富士山を遠望した写真が撮影された最西端は、和歌山県の色川富士見峠(東経135度50分55秒)。富士山が見える可能性がある白倉岳尾根西端(東経135度51分30秒)は経度でわずかに東だが、「富士山のほぼ真西にあたる意味で意義深い」という。
滋賀県内からは、三重県境の鈴鹿山脈から富士山の姿が確認されているほか、比良山系北端の蛇谷ケ峰(高島市)からも理論上見える可能性があるという。見え方などの詳細や情報提供は「田代博のホームページ」へ。
最終更新:9月25日(火)11時29分
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