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「メディアに逃げる」か「メディアを使う」か

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2012/09/26


けんすうさんの記事が非常に面白いので、思うところを書いてみます。

「メディアに逃げる」Webサービスにならないように気をつける – nanapi社長日記 @kensuu


メディア運営している暇があったらサービスを徹底的に改善せよ

そんなこと(注*メディアの運営)をやる暇があったら、徹底的にサービスを磨くために、全リソースを割くべきです。一つのサービスにたいして、一つの目標を設定して、それをやり切る、くらいの覚悟でないと、とうていサービスは立ち上がりません。貴重な資源を限界まで無駄にしないという心持ちじゃないともはやWebサービスは戦えないと思うんですよね。

けんすうさんの主張は、こちらの最後の一言に尽きると思います。けんすうさん自身も、実際に「メディアに逃げて」失敗もなさってきたそうなので、非常に説得力があります。


確かに改善すべき点が残っている状態で、マーケティングに力を入れても、バケツに穴が空いている状態では効果も薄くなってしまいます。ウェブサービスの運営/マーケティングにおいては、定着率を高めること=バケツの穴を塞ぐこと、そしてクチコミで広がるほどにまでサービスの質を高めることが最優先、というのは間違いないと思います。


でも、メディアは有効なマーケティング手法になる

とはいえ、僕はウェブマーケティングをやっている側の人間なので、自社メディアの効果的な運用は、顧客獲得コストを下げる有力な手法になると信じています。低コストゆえに、マーケティング予算が限られる場合などは、有効な選択肢になります。

特に検索エンジン経由で適切にターゲットにリーチできると、コンバージョンに直結します。

例えば僕のブログは「政治 ソーシャルメディア」というニッチなキーワードで1ページ目に出るのですが、この記事から計5件ほど取材や仕事の依頼を頂くことができています(僕自身のビジネスはウェブサービスではありませんが、コンバージョンにつながるという意味では、こういうやり方もあることが分かって頂けると思います)。

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メディアを使ったマーケティングはしっかりと設計すれば、安価な顧客獲得につながる有力な手法になりえます。僕はそういうスタンスで、マーケティングに関わっています。


・まずはサービス自体の改善を最重要とする(特に定着率)
・効果測定を常に怠らず、マーケティング手法としてのROIを見極める
・単なるバズ狙いではなく、ターゲットに的確にリーチできるコンテンツを制作する
・効果測定指標(KPI)はPV・UUではなく、顧客獲得コスト

ウェブサービスにおいては、上記のようなところを意識できるか否かが、「メディアに逃げる」と「メディアを使う」の分水嶺になるんだと思います。

繰り返しですが、メディアを使ったマーケティングに限らず、定着率が低い状態でマーケティングコストを投下してもお金の無駄にしかならないので、定着率はまず第一に(もしくは永久に)改善すべきです。


関連本。マーケティング自体にもリーンスタートアップの思想は当てはまりますね。