すべてのマインド・クリエーターたちへ
2011年3月11日に発生し未曾有の被害をもたらした東北大震災は、遠いフランス、パリにひとつの奇跡をもたらしました。バンド・デシネ(仏版マンガ)関係者たちが力を合わせ、震災支援を目的としたイラストをアーティストから募集、結果3000枚近くのイラストが世界中のアーティストたちから集結。数ヶ月後にはイラスト集「マグニチュード9」がフランスにて刊行、わずか3週間で完売しました。
震災から1年、ここからの真の復興を目指し、日本のクリエーションの素晴しさを、そして世界のアーティストからの想いを届けるため、日本版「マグニチュード・ゼロ」が2012年3月に出版されます。マグニチュード9のムーブメントにより、パリで志を同じくする人たちが集まったように、このマグニチュード・ゼロには半分以上のクリエーターが日本から参画、それぞれの「創造」という情熱を、「日本を愛している」というひとつの想いに込めました。
現在、日本はたくさんの困難に直面していますが、何かを生み出す力・創造する力こそが日本の力になると信じています。震災で傷ついた子供達にも、見知らぬ隣人たちの行動を知ってほしい。この本を手元に置いて、世界地図を広げ、フランスってここ、中国はここ、とそこにある世界を想像してほしい。見かけも言葉も違う人たちが大昔から日本の文化芸術が大好きで、‘漫画オタク’もたくさんいると教えてあげたい。きっと、困難な時代に成長していく中で、日本を愛してくれた世界の友達がいたことを憶えていてくれるでしょう。
歩き方ひとつで、人間は不感症的にもアーティストのようにアンテナそのもののようにも生きられるものだと思いますが、震災後の日本人の誰一人、何となく生きていく事などできないと思います。真剣に生きる事は愛することそのものだと思います。この国に生きる子供たちの笑顔を守りたいと思う気持ち、死にゆくものたちの最期が苦しくないものであるようにと願う気持ち。芸術家でも、ビジネスマンでも、研究者でも同じ、日本の未来を信じゼロから創造する仲間たちだと思っております。
生きてこそ。心より愛をこめて。
マインド・クリエーターズ代表 本田 恵理子