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【社会】

陸自に海兵隊機能 グアム 米と強襲上陸訓練

 上陸作戦を強行する際、最前線に投入される米国の海兵隊。尖閣諸島をめぐり、中国との緊張が高まる中で、この海兵隊のような役割を自衛隊に持たせようという動きが強まっている。陸上自衛隊はグアム島で、沖縄の米海兵隊と共同訓練中。「専守防衛」が国是の自衛隊に「殴り込み部隊」は必要なのか。 (編集委員・半田滋)

 八月から九月末までの予定の共同訓練で、中心はグアム島での強襲上陸訓練だ。参加しているのは、九州・沖縄の陸自西部方面隊四十人。米軍の呼び掛けに応じた。ほかにも、防衛省では陸自に水陸両用作戦能力を持たせるための基礎固めが始まっている。米国の水陸両用車四両を来年度予算で参考品として購入する。

 七月のテレビ番組で石破茂元防衛相は「海兵隊創設」を訴え、森本敏防衛相は「島しょは陸上自衛隊が水陸両用作戦能力を持てば、防衛できる」とした。

 陸自で米海兵隊に一番近いのは九州・沖縄の離島対処のため、二〇〇二年に創設された西部方面隊普通科連隊(長崎県佐世保市)。ヘリコプターで移動し、目的の島が近づいたらゴムボートに移り、上陸する。

 ただ任務は情報収集にとどまり、本格的に戦うのは海上自衛隊の輸送艦でやってくる別の部隊だ。戦闘しながら上陸する海兵隊のような能力は持っていない。

 海兵隊の必要性が加速したのは四月。日米安全保障協議委員会(2プラス2)で「効果的な共同訓練」などが打ち出された。米国からすれば、共同訓練を通じて米軍との相互運用性が高まれば、自衛隊を中国包囲網に組み込むことができる。

 陸自幹部の一人は「どんな島でも部隊を事前展開できれば海兵隊は必要ない。ただ、日本の政治判断が遅れるのは確実なので、海兵隊機能を持っていた方がよい」といい、背景にシビリアンコントロールへの不安があるとした。

 

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