尖閣:中国の監視船12隻が接続水域に侵入

 「釣魚島(日本名:尖閣諸島)は中国の領土だ。われわれは正当な業務を遂行している。あなたたちはここを離れなさい」

 18日午後5時20分。尖閣諸島の接続水域(12-24カイリ=約22-44キロ)を航行する中国の海洋監視船に対し、海上保安庁の巡視船が「領海を侵犯するな」と無線で警告を送ると、中国側はこのように答えた。

 接続水域は「領海」ではないが、出入国管理や犯罪などの予防のため、船舶に対する検査などの措置を取ることができる海域だ。しかし中国の監視船3隻は、これを無視して日本の領海に侵入した。巡視船は後を追い、領海から出るよう無線で呼び掛けるだけだった。

 海上保安庁の巡視船は18日、衝突事故などが発生した場合、両国間の関係がさらに悪化しかねないという懸念から「追跡航行」を行っただけで積極的な制止はしなかった。18日早朝に尖閣諸島の接続水域に到着した中国の監視船は1隻だったが、午後になって次々と合流し、12隻に増えた。巡視船(8隻)を規模の面でも圧倒した。中国の監視船は一列に並んで航行し、逆に海上保安庁の巡視船を威嚇しているかのようだった。一部の日本メディアは、中国の監視船は軍艦を改造したもので、ヘリコプターの離着船設備を備えた船もあると報じた。

 海上保安庁は18日午後、40ミリ機関砲を搭載した排水量1000トン級の大型巡視船「あそ」をはじめ、巡視船8隻を尖閣諸島周辺海域に緊急派遣した。中国の農業部も18日「釣魚島海域にさらに2隻の漁業指導船を送った」と発表した。中国が日本による尖閣諸島領有の主張を無力化するため「海上デモ」を本格化させたことにより、両国間で衝突の可能性が高まっている。中国共産党の機関紙、人民日報は18日「中国が実力で釣魚島の主権を守っている」と強調した。また、NHKは「中国の監視船がこのように大規模にやって来るのは異例」と報じた。

 中国・深センの衛星テレビ局などは、中国の東海艦隊が多数の原子力潜水艦を尖閣諸島海域に送り、警戒態勢に入ったと報じた。また、香港のあるメディアは、米国の偵察衛星が尖閣諸島海域の近くで中国の攻撃型原潜を捕捉したと伝えた。

 日本政府もP3C哨戒機による監視活動を強化し、自衛隊の艦艇を尖閣諸島付近の海域に移動・配備したといわれている。しかし、中国の漁船1000隻が間もなく尖閣に押し寄せてきたとしても、さしたる対策はない状態だ。

 一方18日午前9時ごろ、日本人2人が尖閣諸島の魚釣島に上陸した。これに対し、中国外務省は「重大な挑発行為」と抗議した。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員
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