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【栃木】

太陽光発電設置広がる 県内総出力は全国5番目

パン・アキモトの工場前に設置された太陽光発電パネル=那須塩原市で

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 再生可能エネルギーで発電した電力の買い取りを電力会社に義務付ける「固定価格買い取り制度」を追い風に、県内でも太陽光発電設備の設置が広がっている。日照時間が比較的長く、敷地も確保しやすいという共通認識があり、全国的に見ても制度の利用は多い。二十一日には那須塩原市の製パン会社で、一般家庭三十世帯分の電力を生む「発電所」が稼働を始める。 (内田淳二)

 千平方メートルの敷地に、銀色に光る四百四十枚の太陽光パネルがずらりと並ぶ。設置したのは、やわらかい食感が特長の非常食「パンの缶詰」で知られるパン・アキモト。秋元義彦社長(59)は「東日本大震災以後、自然エネルギーに注目しており、買い取り制度の発表を受けて四月から急きょ計画を立てた。地域で自然エネルギーに関心を持ってもらう機会になれば」と期待する。

 パネルは縦一メートル、横一・七メートル。総発電量は百五キロワット時で、すべて東京電力に販売する。単純計算で一時間あたり約四千四百円になる。

 費用は本体のほか、変電設備、電線の引き込みなどを合わせて約五千万円。発電が天候などに左右されるリスクはあるが、十年ほどで投資額が回収できると見込む。

 買い取り制度は七月に始まった。資源エネルギー庁によると、八月末までの二カ月間に県内で制度の認定を受けた十キロワット以上の太陽光発電は百十三件。出力は計約二万六千キロワットで、北海道、鹿児島、群馬、大分に続き全国で五番目に大きい。

 県内の関連業者は「栃木は日照時間が長く、敷地もある。太陽光発電設備の設置の申し込みは増えている。パネルを設置するために借りる土地を探す事業者もどんどん入ってきている」と話す。

 一方、「最近では設置したパネルが盗難の対象として狙われやすくなっている」とも。パン・アキモトでも周囲をフェンスで囲み、警備システムを導入するなどの対策を立てている。

 <固定価格買い取り制度> 太陽光や風力などの再生可能エネルギーの普及を狙った制度。電力会社は、国から認定を受けた個人や企業が発電した電力を、あらかじめ決めた価格で10〜20年間買い取る。価格は1キロワット時当たり太陽光42円、風力23・1円などと発電方法ごとに異なるが、参入しやすいように高めに設定されている。買い取り費用は家庭や企業の電気代に上乗せされる。

 

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