最近、公開型の不動産ファンドが多数販売されてきています。
お会いした方々からも多数、不動産ファンドに関する質問やご相談を頂くので、今回から数回に分けてお問い合わせの多かったグローバル・ファイナンシャル・サポート株式会社から販売されている、レジャーホテルファンド「HOPEαシリーズ」について見て頂きたいと思います。
不動産ファンドの現状シリーズ1
レジャーホテルファンド「HOPEαシリーズ」
第1回:不動産投資の観点から見た商品特性
まず、このレジャーホテルファンドは不動産ファンドでも不動産小口証券化商品の一種なのですが、従来の不動産ファンドとの違いは以下の2点になるでしょう。
1)J-REIT(不動産投資信託)に代表される従来の不動産ファンドは一般用途不動産(オフィスビルなどの商業用不動産やマンションなどの住居用不動産など)を対象にしています。一般用途不動産はここ数年取得競争の激化に伴い物件価格が高騰しているので、価格上昇の分、投資利回りが低下しています。それに対し、レジャーホテルファンドの投資対象はゴルフ場やパチンコ施設など「特殊用途不動産」であるレジャーホテル(=ラブホテル)です。「特殊用途不動産」の運営は、その運営会社の力量次第で収益、価値に大きな差が生まれると言われています。ですから、従来の不動産ファンドとは一線を画した商品だと言えるのです。
2)レジャーホテルファンドは不動産ファンドの一種と説明しましたが、正確には事業収益およびキャッシュフローの安定性や収益性が高い投資対象に行うインカムゲイン型ファンド=「事業証券化商品」と呼ばれるものになります。この「事業証券化商品」は、欧米では既に確立されたビジネスモデルとして、有料道路事業やパブ事業など幅広い事業を対象に行われています。日本でも、映画ファンドやワインファンドなどがこれに該当します。
続いて、このレジャーホテルファンドの仕組みを説明します。
ファンドは個人投資家から匿名組合出資方式(*1)により集めた資金で、主に中古のレジャーホテルを購入した後、リニューアルを施し収益性を高めて運営されています。そして、ホテル運営から得られた収益を原資に、年2回出資者に分配金が配当されています。また、5年後に満期を迎えた時点で、レジャーホテルを売却し、その売却代金を原資に出資者に対し出資金(元本)を支払い償還されることになるようです。配当率は年率で8.4%から12%と一般的な金融商品に比べ高い目標を予定されています。
※1 匿名組合出資方式:商法535条に基づいて組成された匿名組合に資金を提供すること。出資者は不動産の所有権を持たない。
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レジャーホテルファンドの仕組み |
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ファンドの関係図 |
この高い利回りを裏付ける理由を確認したところ・・・以下のような回答を頂きました。
「レジャーホテル事業の高い収益性にあります。その顕著な例としては、一般的なレジャーホテルの営業利益率が40%であることが上げられます(詳細は次回解説します)。ですから、レジャーホテルは高い利回りで取得することが可能であるため、インカムゲインだけで8.4%という高い配当利回りを提示でき、その上、レバレッジ(*2)を利用すれば、更に高い利回り12%を実現することが可能になるのです。」(グローバル・ファイナンシャル・サポート株式会社 企画部 大城英司氏)
※2 レバレッジ効果:物件の取得利回りより低い金利で借入金を調達することにより、自己資金や投資家からの資金額を少なくし、投資利回りを高める効果のこと
最後に最重要なポイントをお伝えしましょう。このファンドにおいて想定されるリスクです。
リスクは主に以下の2つが考えられます。
1.配当の原資となる営業収益が予定を下回るリスク
2.完本償還の原資となる運用期間終了後の物件売却価格の下落リスク
です。
1.の営業収益が予定を下回るリスクについては、特殊用途不動産であるレジャーホテルの場合、運営会社の力量が非常に重要なポイントになります。ただ、このレジャーホテルファンドの場合、運営は業界で20年近くの実績を持つ運営子会社が担当していので、より軽減されていると言えます。
2.の運用期間終了後の物件売却価格の下落リスクについては、心配ないでしょう。というのも、レジャーホテルに対する需要は景気に左右されにくく、収益自体が安定しているという特徴があります。つまり、物件の収益性を基に算定される収益還元法により取引されるのであれば、予測が容易になるため、売買価格も一般的な不動産に比べればかなり安定しているわけです。
取材協力=グローバル・ファイナンシャル・サポート株式会社
http://www.gfs-21c.com/商品の案内サイト
http://www.hotel-fund.com/?aabout=01_20060612_H7次回、不動産ファンドの現状シリーズ1 レジャーホテルファンド「HOPEαシリーズ」
第2回:商品自体の商品特性 に続く
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<不動産ファンドの現状シリーズ1>
レジャーホテルファンド「HOPEαシリーズ」
第1回:不動産投資の観点から見た商品特性
第2回:商品自体の商品特性第3回:社長インタビュー