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京急脱線 現場は速度規制の対象外
9月25日 17時39分

神奈川県横須賀市で、京浜急行の特急電車が大雨で崩れた土砂に突っ込んで脱線した事故で、けが人はさらに17人増え、28人となりました。
また、現場付近は大雨による速度規制の対象外で、電車は通常とほぼ同じ時速75キロ程度で走っていたことが分かり、警察と国の運輸安全委員会は、詳しい事故の状況などを調べています。

この事故は25日午前0時ごろ、横須賀市にある京浜急行の追浜駅と京急田浦駅の間で、崩れた斜面から線路に流れ込んだ土砂に、下りの8両編成の特急電車が突っ込んで1両目から3両目が脱線したものです。
この事故で、けが人がさらに17人増え、客の7人が骨折などの大けがをしたほか、乗客20人と運転士1人が軽いけがをし、合わせると28人に上っています。
線路脇の斜面は激しい雨が原因で崩れたとみられていますが、現場は、大雨による速度規制の対象区間ではなく、電車は当時、現場付近で通常とほぼ同じ時速75キロ程度で走っていたことが、国土交通省の調べで分かりました。
京浜急行では、平成9年4月に今回の現場から南に2キロほど離れた場所で同じように雨の影響で山の斜面が崩れ、普通電車が脱線した事故を受けて大雨の際に速度規制を行う区間を決めていました。
しかし、対象の区間は平成9年の事故現場の区間を含め、全路線で5か所にとどまり、今回事故が起きた場所は、土砂の流出防止ネットを設置するなどの対策を行ったことで規制区間の対象には加えなかったということです。
また、京浜急行では速度規制の対象でない区間について、運輸指令が付近の雨量計のデーターなどから状況に応じて減速などを運転手に指示することが社内の規定で定められていますが、今回運輸指令からの指示はなかったということです。
警察と国の運輸安全委員会は、関係者から事情を聞くなどして、詳しい事故の状況や原因を調べています。
脱線事故の影響で、京浜急行線は横浜市の金沢八景駅と横須賀市の逸見駅の間で、上下線とも運転を見合わせています。
この区間では、引き続きJRなどによる振り替え輸送が行われています。

京急会見で陳謝

今回の事故を受け、京浜急行は25日午後7時から記者会見を行い、小倉俊幸鉄道本部長が「多くの乗客の方々にけがを負わせてしまい、大変申し訳ありませんでした。また、電車に乗っていたすべての乗客の方々についても、ご迷惑をおかけして、深くおわび申し上げます」と陳謝しました。

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