海外でかなり話題になっているニュース。ちょっと分かりにくいので解説記事を。
Facebook Now Knows What You’re Buying at Drug Stores – Technology – The Atlantic Wire
Facebook広告が購入に寄与したかをトラッキング
Facebook広告の問題点の一つは「実際に売れたか」が分かりにくいことです。例えばジュエリーショップのFacebook広告をきっかけに来店し、商品を購入しても、アンケートなどを取らないかぎりその効果は明らかにされません。
こうした課題を解決するために、Facebookは今回「Datalogix」という会社と提携しました。Datalogixは全米7,000万世帯のポイントカード、会員プログラムなどの購入情報を保有する会社です。イメージ的にはTポイントカードを運営するCCCが近いかも。
Datalogixの持つメールアドレスと、Facebookに登録しているメールアドレスをマッチさせれば、限定的ではありますが、Facebook広告が実際に購買に寄与したかどうかをトラッキングすることが可能になります。
日本で分かりやすく例えるなら、皆さんが牛角のFacebook広告を見て、週末に牛角に来店し、Tポイントカードを使うと、その情報が「勝手に」Facebook広告のレポート画面に表示されるようになる、ということです。もちろん「誰が」購入したか、という詳細な個人情報は掲載されません。
「ポイントカードを使っていること」「ポイントカードのメールアドレスとFacebookの登録メールアドレスが合致していること」が条件なので、すべての購買データをトラッキングできるわけではありませんが、マーケターとしては革命的ともいえる変化です。Facebook広告のROIの測定が、アンケートなどを介さずとも分かるようになるわけですから。
FacebookとDatalogicsが45の広告キャンペーンを計測したところ、70%の広告は1ドル投資すると3ドル回収できる、というROIの高さになったとか。調査対象が気になりますが、すごいROIですね。
So far, the two companies have measured 45 campaigns and in 70 per cent of cases, for every dollar a marketer spent on Facebook it earned an additional $3 in incremental sales, Mr Smallwood said.
高まるプライバシー懸念
一方で、プライバシーの問題が気になるところです。実際このプログラムがローンチするアメリカでも、賛否がわき起こっているようです。
それに対してFacebookは「ユーザーデータはすべて匿名化され、あくまで広告主を助けるためにしか使われない(We are working with Datalogix to help advertisers understand how well their Facebook ads are working. We don’t sell people’s personal information, and individual user data is not shared between Facebook, Datalogix or advertisers.)」という旨を主張しています。
僕はマーケター側の人間でもあるので、この動きに関してはポジティブな流れだと理解しています。Facebookに限らず、僕らはもう大量の個人情報を預けてしまっているのですから…。Googleに対する態度と同じく、性善説で臨むしかないでしょう。
個人情報をうまく利用して、無駄がなくなっていくのはよいことだと僕は思います。そもそも個人的なレベルでは「何を買ったか」がバレても困ることはないですし。
皆さんはどう考えますか?ぜひコメント欄やツイッターで意見をください。