経団連の米倉弘昌会長、日本商工会議所の岡村正会頭、経済同友会の長谷川閑史代表幹事は18日都内でそろって会見し、政府が2030年代の原発ゼロの目標を盛り込んだエネルギー・環境戦略を決めたことに改めて反対し、再考を求めた。
経済3団体のトップがそろって会見し政府方針への反対を表明するのは異例。また、これに関連して米倉会長は国家戦略会議の民間議員を辞任する可能性も示唆した。
米倉会長は会見で、「エネルギー政策は国家戦略会議で徹底的に議論すべき問題なのに、(政府の決定を)報告するだけだ。とてもじゃないが納得できない」と批判。「雇用や国民生活を守る立場から原発ゼロに一致して反対してきた経済界の声を全く受け止めていただけなかったのは極めて遺憾だ」と憤りをあらわにし、国家戦略会議の民間議員については「今後の対処法はいろいろ考えていく」と述べ、委員の辞任も含めて検討していることを明らかにした。
また米倉氏は、世論調査で原発ゼロを支持する人が多数を占めたことについては「アクティブな参加者とサイレントマスの違いだ」と切り捨て、「(原発ゼロで)国内産業の空洞化が加速して雇用の維持が極めて困難になる」と指摘した。
岡村氏も「商工会議所の調査では原発ゼロの賛成は10%だ。調査の対象が違う」と米倉氏の見方に同調。「雇用の70%が中小企業で大企業と合わせればどれだけの数になるか」と述べ、経済界の声を尊重すべきだと主張し、長谷川氏も「早急に見直すべきだ」と強調した。