ニセ医師逮捕:黒木容疑者 医師資格確認システムを悪用
毎日新聞 2012年09月25日 02時30分(最終更新 09月25日 07時24分)
東京都板橋区の高島平中央総合病院で、医師免許がないのに健康診断を行ったなどとして警視庁に詐欺などの疑いで逮捕された黒木雅容疑者(43)が医師免許証を偽造する際、厚生労働省が導入した「医師等資格確認検索システム」を参照していたことが捜査関係者への取材で分かった。医師の資格確認のシステムが悪用された形だ。
捜査関係者によると、黒木容疑者はインターネットで医師免許証のコピーを入手。ネットで同姓の医師を探した上で、検索システムに名前を打ち込んで医師登録年を確認し、コピーした偽造免許証の名前と登録年を書き換えていたという。
検索システムは07年に医師の資格確認ができるように導入され、名前を入力すると性別、医師登録年、行政処分歴が閲覧できる。だまされた病院は黒木容疑者を採用する際、システムを確認したが、偽造免許証にある名前と登録年に食い違いがなく、偽造に気付かなかった。
厚労省は事件を受けて24日、医師免許証の原本確認の徹底など都道府県に通知した。検索システムが悪用されたことについて、同省は「システムは補助的な手段として活用してほしい」と話している。【黒田阿紗子】