24日午後11時58分ごろ、神奈川県横須賀市追浜町1丁目の京浜急行追浜―京急田浦駅間で、電車が崩れた土砂に突っ込んだ。同市消防局によると、これまでに男性5人、女性1人がけがをしたが、重傷者はいないという。京急によると、電車は京成高砂発三浦海岸行きの8両編成の下り特急で、少なくとも1両目から3両目までが脱線したという。
横須賀市によると、現場は京急の追浜第5踏切付近。県警田浦署によると、トンネル手前ののり面の土砂が崩れた。そこに電車が乗り上げ、トンネル内に約200メートル入ったところで脱線したという。
気象庁によると、神奈川県内では24日深夜、局地的に大雨が降った。横浜地方気象台は、横須賀市で24日午後11時までの1時間にレーダー解析で約100ミリの雨が降ったとして、同11時24分、神奈川県に記録的短時間大雨情報を出していた。横須賀市には土砂災害警戒情報も出ていた。
現場は京急田浦駅の北約500メートル付近。線路は国道16号に並行して南北に走っている。
現場で記者が見たところ、電車は先頭から一部がトンネルに入ったまま止まっており、脱線の様子はうかがえない。作業員が土砂の除去作業をしている。乗客は全員がすでに降車し、避難。ドアは開いたままで、座席を地上に降ろしてはしご代わりに使っていた様子が残っていた。
前から2両目に乗っていた男子学生(21)は避難先の駅で、「突然ドンという音がして急停車した。進行方向左側の窓ガラスに土砂が打ちつけ、少し開いていた窓から土砂がどっと入ってきた」と話した。
前の方の車両には転倒した人や悲鳴を上げていた人もいた。一部の車両では電気が切れ、非常用のレバーを使って扉を開け、座席のシートを階段代わりに降りたという。
現場近くの横須賀市田浦大作町の京浜急行線では、1997年4月にも土砂崩れに伴う脱線事故があり、乗客ら19人が重軽傷を負った。