トヨタ自動車がエコカーの全方位展開に乗り出す。主力のハイブリッド車(HV)で3年間で21車種を投入するのと同時に、小型電気自動車(EV)を12月に日米で発売するほか2014年にはエンジン排気量を落として燃費効率を高める「ダウンサイジング・エンジン」技術も導入する。資金力と技術力を背景に普及の可能性のあるエコカーを幅広く手掛け、新興国を含む世界市場で主導権の確保を狙う。
24日に都内で環境技術説明会を開き、内山田竹志副会長が今後の戦略を明らかにした。
EVの小型車「eQ」を12月に発売する。新型リチウムイオン電池を搭載し、1キロメートルの走行に必要な電力量は104ワット時と世界最高性能を実現したという。1回の充電で走れる距離は約100キロメートル、最高時速125キロメートル。価格は360万円。
トヨタはHVや家庭でも充電できるPHV(プラグインハイブリッド車)を中核にし、EVには慎重姿勢だった。しかし、近距離の移動ではEVの需要も高まるとみて参入を決めた。まず日米の自治体などに100台を販売する。米国では小型SUV「RAV4」のEVを9月中に発売する。
ダウンサイジング・エンジン技術は燃費性能ではHVに劣るが、低コストの利点を生かして新興国での普及が見込める。このためトヨタも同技術を採用したエコカーを投入する。排気量を2.5リットルから2リットルに小型化したガソリンエンジンに過給器を組み合わせたダウンサイジング・エンジン搭載車を14年以降、発売する。過給器搭載の1.4リットルのディーゼルエンジン車も15年に投入する。
トヨタはBMWと提携し、2リットル前後の中型車用ディーゼルエンジンの供給を受ける。それ以外の小型エンジン、商用車用は自社開発する。
HVは今後3年間で、14の新モデルと既存7モデルの改良の計21モデルを発売する。主力セダン「カローラ」のHVなどを追加する見通し。トヨタの販売車種の大半でHVを選べるようにする。
エコカー補助金の後押しも受け、トヨタの12年のHV販売台数は120万台程度と11年比倍増の見通し。HVの販売比率は国内で今年前半に45%に達した。今後は10%強にとどまる世界全体での拡販にも力を入れる。
中国や米国ではモーターなどの基幹部品を含めた現地生産を計画。内山田副会長は「HVは利益が出ているが、さらにコストを下げて世界に普及させる」と述べた。
トヨタはHVの技術を応用したPHVを今年1月から日米欧で順次発売し、8月末時点で計1万5600台を販売した。既存車種でHVやPHVの搭載を増やす一方、近距離用はEV、中・長距離は航続距離が長い燃料電池車を用意する。「燃料の多様化に対応する」(内山田副会長)ことで顧客の裾野を広げていく戦略だ。
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