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マンガのような主人公が活躍、「キャラノベ」が人気のワケ
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2012/9/24 6:30
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 『謎解きはディナーのあとで』の毒舌執事や『舟を編む』の辞書編集者など、際立つキャラクターが活躍するキャラクターノベル=「キャラノベ」が人気だ。「キャラノベ」がウケている背景や読者層をひもとき、人気作家の傾向分析から、今後の活躍が期待できる作家を紹介していこう。

 「キャラノベ」人気が高まっている。「キャラノベ」とは、エンターテインメント小説のなかでも、読みやすい文体や言葉遣いで書かれ、舞台や人物がマンガ的に誇張されている作品のこと。ファンタジックな要素などが加味されているものの、現実社会に基づいた世界観を持つため、大人でも親しみやすい。従来の一般文芸とライトノベルの中間にある、新たなジャンルと位置づけることができそうだ。

 最近のベストセラーの例としては、東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』や三上延(えん)『ビブリア古書堂の事件手帖』、三浦しをん『舟を編む』、大沼紀子『真夜中のパン屋さん』などがある。なかでも有川浩『三匹のおっさん』は50歳以上にもよく読まれている、まさに“大人向け”キャラノベだ。

※ グラフは、購読者の男女比(全国696店舗のTSUTAYA BOOKS、蔦屋書店での購入データに基づく)を示している。
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※ グラフは、購読者の男女比(全国696店舗のTSUTAYA BOOKS、蔦屋書店での購入データに基づく)を示している。

■キャラノベは小説の王道

 これら「キャラノベ」が売れる背景を、本とコミックの情報誌「ダ・ヴィンチ」の編集長・関口靖彦氏は次のように分析する。

 「大きな流れとして、娯楽小説のゆり戻しがあると思います。映画を例に取ると分かりやすいかと思いますが、王道といえる1950~1960年代のハリウッド映画に対して、1970年代にはカウンターカルチャーが登場しました。ところが実験的な手法も1990年代までにほぼやりつくしてしまったため、現在はまた王道に戻ってきています。エンターテインメント小説でも似たようなことが起きていて、王道といえる作風が再びウケるようになっています。ベタな設定でキャラクターの立った、共感しやすい小説に人気が集まっているのはそのためです」

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三浦しをん、有川浩、東川篤哉、三上延、夢枕獏、大沢在昌、東野圭吾、神永学、謎解きはディナーのあとで、三匹のおっさん、ライトノベル

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