富山のニュース 【3月17日01時58分更新】

「道の遮断機」姿消す 富山地鉄のバス専用道、今月末で廃止

バス専用道の廃止に伴い、役割を終える遮断機=富山市内
 富山地方鉄道(富山市)が同市八ケ山(はっかやま)―石坂間で運用しているバス専用 道が、3月末で役割を終える。それに伴い、線路跡に作られたバス専用道と公道が交わる 3カ所に、車両の進入を防ぐ目的で設置された遮断機も撤去される。鉄道廃線から30余 年、踏切がない道に遮断機がある「全国でも珍しい光景」(富山地鉄)は間もなく姿を消 す。

 富山地鉄によると、バス専用道は、1980(昭和55)年3月で廃線になった地鉄射 水線の跡地を舗装し、同年7月から「八ケ山」―「田刈屋」間の約2キロで運用が始まっ た。平日朝の通勤時間帯に1日6便、射水市新湊や富山市四方(よかた)方面から同市中 心部に向かうバスが走行する。

 バス専用道の出入り口などに設置された遮断機は、バスが通る時だけ遮断棒が上がる仕 組み。通常は遮断機が降りた専用道は、住民の散歩コースや子どもの遊び場所などとして 使われてきた。

 専用道を走るバスは、運用当初は多くの通勤通学客で混雑したが、マイカーの普及とと もに利用客は減少。都市計画道路草島西線の整備などにより、1999年から専用道は一 部区間が廃止され、「住吉内山邸前」―「田刈屋南口」間の約1・5キロになった。

 富山市田刈屋の70代主婦は、子どもが幼かったころ、バス専用道で子どもに自転車の 練習をさせたという。主婦は「午前9時ごろ遮断機が降りてから専用道に車が通らなくな ると、とても安全だった。遮断機を見ると、昔の記憶がよみがえる」と振り返る。

 富山地鉄によると、バス専用道を使っていた6便は4月以降、専用道と並行する一般道 を通って走行する。所要時間は変わらない。富山地鉄は「遮断機は役割を終えるが、バス 専用道の今後の活用策は市と協議して決めたい」(自動車部)としている。


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