大津市立中学2年の男子生徒(当時13)が自殺した問題で、自殺1週間前の昨年10月4日に保健室の養護教諭が、いじめをしたとされる同級生の様子がおかしいと担任に伝えていたことが市教委などへの取材でわかった。自殺直後に作成された、養護教諭への学校側の聞き取りメモに記載があった。
学校側はこれまで、自殺前にいじめに気づく機会として、昨年9月30日と10月5日の2回、女子生徒から「いじめ」の指摘があったことを挙げていた。養護教諭の指摘については公表しておらず、学校の対応の甘さが浮き彫りになった。
メモによると、自殺した男子生徒と同級生は昨年10月4日、一緒に保健室を訪れた。同級生は「しゃべり口調がいらいらするので殴った」と言い、手に湿布を貼ってもらった。男子生徒は「鼻とほっぺを殴られた」と手当てを受けた。この後、同級生は再び保健室に来て、「邪魔になるからうっとうしい」と言いながら湿布を外した。
養護教諭は、同級生が1学期よりも態度が粗暴になっていると気づき、担任の机に書き置きを残し、口頭でも「放課後聞いてや」と話しかけた。教頭や2年の学年主任ら教諭5人にも「たいへん様子がおかしい」と指摘。5日朝の学年打ち合わせでも、養護教諭の指摘が報告されたという。