講演:福島の現状や課題 斎藤さん「冷静な対処必要」−−中区 /広島
毎日新聞 2012年09月23日 地方版
福島の現状や課題について考えようと、「さよなら原発ヒロシマの会」は22日、「福島のいま そして これから」を中区で開いた。長年広島で被爆者医療に携わり、現在は福島市内の病院に勤める斎藤紀(おさむ)さん(65)=福島市=が講演し、「外部、内部被ばくの人体影響については、線量を可視化し、冷静な対処が必要」と訴えた。
約230人が集まった。斎藤さんは09年から福島市の医療生協わたり病院に勤務。震災後も現地にとどまり、福島県内の避難所を回って、健康面の不安についての相談などにあたっている。
講演で斎藤さんは、同県南相馬市立総合病院が実施した小児の内部被ばく検出調査結果で、昨年9、10月では50%で検出されていたのが、今年1月には5%にまで減少していたことを紹介。同病院の問診の結果、検出された5%の小児は自家栽培の野菜を摂取していたことが分かった。斎藤さんは「継続的に健康調査を行い、食品管理ができれば、内部被ばくは克服できる」と語った。【寺岡俊】