盗まれたiPhone5はどうなるのか。大阪府警の幹部は「各店に大量に最新機種が置かれる発売日を狙っており、転売目的の組織的・計画的な犯行だ」とみる。府内でこれまでに発生した携帯電話販売店の窃盗事件は、あくまでも売上金狙いで、携帯電話を狙って大量に盗む手口は珍しいという。
KDDI(au)の広報部の担当者は「どういう意図か測りかねている」と話す。販売前のスマートフォンには、電話番号などの情報を記録した「SIMカード」を入れておらず、盗んでもそのままでは通話に使えないからだ。これまでのiPhone4Sのカードは、iPhone5よりも一回り大きいため互換性がなく、使い回しができないという。
携帯電話に詳しいジャーナリストの石川温(つつむ)さん(37)は「販売前でも端末には個体管理番号がついている。もし販売店などに端末だけ持ち込んで契約しようとしても、ネットワークにつなげる際に盗難品と判明するので、国内では使えないはずだ。海外に転売した場合は使えるのかも知れない」と指摘する。中古携帯を売買する大阪市の業者は「管理番号で盗品だとわかれば引き取らない」と言う。