日中関係冷え込み長期化の見方も9月24日 4時12分
沖縄県の尖閣諸島を巡る対立で日中関係が冷え込むなか、中国側は、今月27日に北京で予定されていた国交正常化40年の記念式典の開催を中止し、関係悪化の歯止めになるとみられていた式典が中止されたことで、関係者の間からは、両国関係の冷え込みは長期化するのではないかという見方が出ています。
中止されたのは、今月27日に北京で予定されていた日中国交正常化40年を記念する大規模な式典です。
北京の日本大使館などによりますと、式典を主催する中国側の友好団体「中日友好協会」から23日、「当面、延期したい」という連絡を受けたということで、関係者は、事実上の中止だとしています。
中国側は、その理由について、日本政府が尖閣諸島を国有化したことで、式典を行う雰囲気が壊されたとしています。
ただ中国側は、式典は中止したものの、式典に合わせて招待していた日本側の友好団体の関係者については、唐元外相や要人との会談などは行うとしています。
また国営の新華社通信は、「中日友好協会」の責任者が、「中日友好を推進する中国側の信念は、変わっていない」と述べたと伝えています。
北京の日本大使館の幹部は、中国側が、大規模な式典は取りやめるものの、民間レベルの交流は維持することで、尖閣諸島の国有化は認められないとする中国側の立場を伝え、日本に妥協を促すねらいがあるのではないかとみています。ただ、冷え込んだ日中関係に、歯止めをかけるきっかけになるとして注目されていた式典が中止されたことで、関係者の間からは、日中関係の冷え込みは長期化するのではないかという見方が出ています。
「国民交流友好年」のねらいと異なる事態に
日中国交正常化40年の記念式典は、1972年に当時の田中角栄総理大臣が中国を訪れ、周恩来首相らと会談を重ね、9月29日に北京で「日中共同声明」に調印し、日中両国が外交関係を樹立したことを記念するものでした。
これに合わせて、日中両政府は、ことしを「国民交流友好年」として、さまざまなイベントや交流行事を予定してきました。
そこには、民間の交流を促進することで、おととし起きた尖閣諸島沖の漁船衝突事件で悪化した双方の国民感情の改善を図るとともに、両国間に問題や対立が発生した際に関係が決定的に悪化しないよう国民レベルで基礎を固めたいというねらいがありました。
しかし、ことしに入ってからも、中国側は当初から、国内の根強い反日世論を考慮して、こうした行事への最高指導部の出席は控えるなど慎重な姿勢をとり続けています。
さらに日本政府による尖閣諸島の国有化以降、両国の間では、民間や地方自治体どうしの交流行事が相次いで中止されたり、延期されたりしたほか、中国からの団体観光客のツアーも次々とキャンセルされるなど、日中両政府の当初のねらいとは異なり、交流は一段と冷え込む事態となっています。
日中協会理事長“速やかに関係修復を”
日中国交正常化から40年を記念する式典に参加を予定していた日本側の関係者の中には、今後の交流事業にさらに影響が広がらないよう、日中両国の政府に対し、速やかに関係を修復するよう求める声が出ています。
日中友好7団体の1つ、日中協会の理事長の白西紳一郎さんは、式典の中止について「非常に残念だ。50年にわたって中国を600回、訪れているが、こういう事態は初めてだ。尖閣諸島の国有化を巡り、これほどまでに日中の政府間の関係がぎくしゃくしていることに驚いている」と話していました。
そして、日中両国にとって、民間交流の重要性を指摘したうえで「日本にとって中国はなくてはならない存在だ。互いの国が好き嫌いではなく、その重要性を考えて理性的につきあうべきだ。国民感情の悪化が叫ばれているが、政府間の関係が改善されれば国民感情はよくなるはずだ」と述べ、今後の交流事業にさらに影響が広がらないよう、日中両国の政府に対し、速やかに関係を修復するよう求めました。
式典は中止されましたが、白西さんは26日に中国を訪れる予定で、唐元外相らとの会談を通して、日中関係の冷え込みに歯止めをかけるため意見を交わしたいとしています。
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