登別市登別温泉町ののぼりべつクマ牧場(尾崎武志園長)では、修学旅行生にアイヌの伝統文化の一端を―と、アイヌ料理を来シーズンから提供。食を通して、アイヌの知恵や自然観を学んでもらう。18日は同牧場のクマ山食堂で試食会が開かれ、報道陣に公開。今後、旅行業者らに本格的に周知を図っていく。
同クマ牧場にある「ユーカラの里」では冬季を除き、平取アイヌの人たちが民族舞踊やムックリの演奏、木彫りの実演、販売などを行っている。同牧場では修学旅行が単なる見学から体験型に変わってきている状況から、自然環境の学習や体験を重視。アイヌの食を通して自然観や知恵を学んでもらう。
料理はコンブタレの団子「コンプシト」、イナキビ入り炊き込みご飯の「イナキビアマム」、サケの切り身と野菜、ジャガイモなどを使ったみそ味の「オハウ」、ギョウジャニンニクのしょうゆ漬けの4品にハーブティーを付ける。基本的に同所で食事をする修学旅行生らに無料で提供する。これから旅行会社などにアピールしていくが、修学旅行生のほか海外からの観光客への提供も視野に入れている。
「アイヌ料理は講習を受けるなどして創作。化学調味料は一切使っておらず、食べやすいようアレンジした」と尾崎園長。同牧場には本州方面の高校生を中心に年間2500人ほどの修学旅行生が来ているが、調理担当の加藤彰子さんは「コンブタレを作る時、火加減が難しかった」といい、クマ牧場ならではの食の提供をしていきたい考えだ。
この日は午後1時半からマスコミ向けに試食会を開催。ギョウジャニンニクは手に入らなかったため試食には出てこなかったが、参加者には好評だった。
(野崎己代治)
【写真=来年から修学旅行生向けに提供されるアイヌ料理3品とハーブティー】
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