2010年1月6日15時45分
登別市登別温泉町の「のぼりべつクマ牧場」が、修学旅行生向けの「アイヌ料理」を創作した。食の体験を通してアイヌ文化の一端に触れるとともに、アイヌの人々の知恵や自然観を学んでもらおうという試みだ。春から迎える修学旅行シーズンに合わせて、牧場内のレストラン「クマ山食堂」で提供する予定だ。
創作したアイヌ料理は、サケとジャガイモ、ニンジンなどの野菜を使ったサケ汁「チェプのオハウ」、コンブのたれがかかった団子「コンプシト」、イナキビ入りの炊き込みご飯「イナキビアマム」。ほかにギョウジャニンニクのしょうゆ漬けも加える。
料理は、調理担当の加藤彰子さん(42)がアイヌ料理の講習会に参加するなどして創作した。化学調味料は使っていないが、中学生や高校生でも食べやすいようにアレンジしている。
同牧場には本州の高校生を中心に年間2500人を超える修学旅行生が訪れ、アイヌ文化にも触れられる牧場内の「ユーカラの里」で、イタドリを使った笛作りなども体験している。
同牧場は、新たに食の体験を加えることで、「必要な分だけとった食材を無駄なく使い、自然を大切にしてきたアイヌの人たちの生活の知恵を知り、文化だけではなく自然環境にも目を向けた学習をしてほしい」(尾崎武志園長)と話している。
料理は通常の昼食メニューとは別に無料で提供し、生徒が試食できるようにする。海外からの観光客にも味わってもらうことを検討しており、今後、旅行会社などにPRしていく考えだ。
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