南海トラフ巨大地震:都市圏の活断層図作成へ 地理院、地震備え
毎日新聞 2012年09月11日 東京朝刊
国土地理院は10日、南海トラフ巨大地震への備えに活用できる、都市圏の活断層帯の詳細な位置を示す地図を作る計画を明らかにした。来年度予算概算要求の中に、3カ所(3000平方キロ程度)の作成費1700万円を盛り込んだ。想定される被害が大きく対策の緊急性が高い地域から、対象の場所を選ぶ。
この「都市圏活断層図」(縮尺2万5000分の1)は地理院が阪神大震災を受け、各地の防災対策の基本データとして95年度から整備している。これまでに152枚が作られ、今年度も3枚が製作中だが、南海トラフ巨大地震の震源域に想定されている静岡県から宮崎県にかけての太平洋側は、ほとんどが空白地帯となっていた。
活断層図では、活断層を種類ごとに記号で区別。最近数十万年間に繰り返し動いた跡が地形に現れた活断層や、地形的な特徴で存在が推定される活断層なども示すほか、横ずれや縦ずれの向きも記号で明示する。地理院応用地理部の門脇利広・企画課長補佐は「全国で統一した基準、同じ精度で作成し、自治体の防災計画の基礎資料となる」と説明している。【安味伸一】