絶滅のニホンカワウソ 野生復帰も9月21日 4時18分
国が絶滅種に指定した「ニホンカワウソ」が、中国などに生息している「ユーラシアカワウソ」と遺伝的に極めて近い可能性が高いことが東京農業大学の研究グループの調査で分かりました。
研究グループでは将来的には「ユーラシアカワウソ」を人工繁殖することでニホンカワウソの国内での野生復帰につながると期待しています。
ニホンカワウソは、かつて日本各地の川や海辺に生息していましたが、30年以上生息が確認できないことから、環境省が先月、絶滅種に指定しました。
ニホンカワウソは、中国などに生息するユーラシアカワウソとは独立した種とする説や、種は同じであるものの形や生態が異なる日本固有の「亜種」だとする説がありますが、東京農業大学の佐々木剛准教授のグループは、神奈川県で捕獲され毛皮が残されていたニホンカワウソと、中国やロシア、それに、韓国に生息するユーラシアカワウソのDNAを比較しました。その結果、従来の研究の10倍以上に当たる遺伝情報の解析に成功し、ニホンカワウソとユーラシアカワウソは同じ種で、遺伝的に極めて近い可能性が高いことが分かったということです。
中でも、中国産の個体が遺伝的に最も近いとしています。
研究グループでは、さらに研究を重ねる必要があるとしていますが、将来的には「ユーラシアカワウソ」を人工繁殖することでニホンカワウソの国内での野生復帰につながると期待しています。
東京農業大学の佐々木准教授は「ユーラシアカワウソと同じ種であると確認できればトキやコウノトリのようにニホンカワウソを日本の自然に野生復帰させるという道筋が開けてくると思う」と話しています。
この研究結果は21日、神奈川県で開かれる日本哺乳類学会で発表されます。
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