尖閣問題で中国はすでに諸外国への“情報戦”を仕掛けていた。保守派の論客で「新しい歴史教科書をつくる会」の元会長でもある西尾幹二電気通信大学名誉教授(77)は先日、都内で行われた講演の中でこう警鐘を鳴らした。
「中国はドイツのウィキペディア(自由に編集できるネットの百科事典)上に、尖閣諸島が自分たちの領土であると書いている。あれではドイツ人は中国の領土だと思うだろう。日本はもっとこういうことにドンドンお金をかけるべきなんです」
本紙が確認したところ、確かにドイツ語のウィキには尖閣の歴史が1372年に中国の船員によって発見されたことになっており、1534年以降中国の一部として繰り返し(歴史書に)描かれたと記されている。だが、ドイツ語バージョンはましな方だ。
国連の常任理事国であるフランスのウィキには「尖閣が国際メディアで中国読みである『釣魚島』と知られる」とし、さらに全文ほぼ中国が主体となってつづられているのだ。ロシア語バージョンはさらに最悪で、16日に発生した広東省深セン市での反日デモの写真まで掲載。英語は比較的両論併記を装っているが、日本領土だと明言せず、中国語バージョンは言わずもがなだ。
西尾氏は「これで国連に訴えられ、やられる可能性だってあるんです。日本は『領土の証拠があるから』と安心してはならない」と強調する。
諸外国は日本の細かい領土問題に関心はない。外国人に既成事実のように受け止められ、中国政府が積極的にロビー活動すれば、一気に形勢逆転ということもありえる。たかがウィキと侮るのは危険なのだ。
「今ごろ国有化なんてしているが、もっと早く手を打っていなければならない。今も昔も政治家が動くのが遅い」と西尾氏はバッサリだ。
利用できるものは何でも利用する中国に対し、すべてが後手の日本。最悪の結果にならなければいいが…。
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