かつて秋田県の田沢湖だけに生息し、1940年以降に絶滅したとされてきた日本固有の淡水魚クニマスについて、環境省はレッドリストの「絶滅」指定を見直し、本来の生息地以外に移されて生きている種と位置付けて「野生絶滅」に指定する方針を固めた。関係者が22日、明らかにした。
山梨県の西湖で2010年に生息が確認されたのを受けたもので、絶滅指定の見直しは魚類では初。
西湖では、田沢湖から移されたクニマスの卵が元になって繁殖したと考えられている。環境省は、人の手でクニマスが本来の生息地から移された点を根拠に、野生で絶滅の危機にひんしている絶滅危惧種には当たらないと判断した。
「野生絶滅」はこれまで、野生では生息せず飼育・栽培下でのみ存続する種が指定されてきたが、今後はクニマスのように本来の生息地以外に移され、野生化しているのが新たに見つかった種も含める。
クニマスは体長約30センチ。発電や農地開発に伴い近くの川の水を田沢湖に引き込んだため水質が変化し、40年以降に絶滅したとされる。
30年代後半に漁業関係者らが富士五湖の西湖や本栖湖などに卵を放流したとの記録があるが、長年捕獲例がなく、環境省は91年に絶滅種に指定した。
西湖のクニマスは、京都大の中坊徹次教授(魚類学)や、東京海洋大客員准教授でタレントの「さかなクン」らの調査で生息が確認され、その後も捕獲例が相次いだ。山梨県水産技術センターは今年、人工繁殖にも成功している。
環境省はレッドリストを約5年ごとに見直している。今年8月に公表した哺乳類や鳥類のリストではニホンカワウソが「絶滅」指定され、トキは引き続き「野生絶滅」とされた。同省は近く、クニマスを含む汽水・淡水魚類についても取りまとめ、公表する。〔共同〕
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