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〈中央オモニ大会〉弁護士・裵明玉さんの講義 / “皆で権利を勝ち取ろう”

各地のオモニ会の活動紹介の次に、現在、愛知県名古屋市で弁護士として活動する裵明玉さんによる講演「踏みにじられている子どもの権利 明るい未来のために今私たちができること、すべきこと」が行われた。

裵さんはまず、東北朝鮮初中高級学校(当時)に通った思い出を振り返りながら、昔も今も同胞社会、朝鮮学校を底辺から支えているのはオモニたちだったと話し、「オモニたちのあらゆるバックアップがあったからこそ今の自分がいる」と感謝の思いを伝えた。

裵明玉弁護士

続いて、今回のテーマであるさまざまな抑圧と差別にさらされている朝鮮学校の問題について、主に「高校無償化」問題を中心に、日本政府の不当性を追及した。

裵さんは、「東大にストレートで合格する学生が出るほど、朝鮮学校は日本の一流校と肩を並べるくらいの教育水準にあり、私立学校と同等のレベルに達していて、文科省が提示した『審査基準』もすべて満たす教育環境にある」とし、韓国学校、ブラジル人学校、中華学校、日本とは国交がない台湾系の学校にも、一切の教育内容に踏み込まず適用し、朝鮮学校だけを除外するというのは明らかな差別だと」と強く批判した。また、単にお金の問題ではないと話しながら、「高校のレベルが日本学校と同じならその前段階の中級部、初級部、幼稚園だって日本のそれと同じ。『無償化』が適用されれば、初中の補助金も飛躍的にアップする土台になるはず。だから、必ず実現させるという希望を持って取り組んでもらいたい」と参加者たちに語りかけた。

当初は朝鮮学校も「無償化」の対象だった。しかし、当時の中井拉致担当大臣による「拉致をした北朝鮮の学校にお金を上げる必要はない」といった文科省への指示、2010年11月26日に起きた延坪島事件を理由とした審査停止など、外交問題を理由に朝高生たちの高校生としての権利を剥奪した。本来「無償化」の目的は、日本のすべての高校生たちに平等に学べる機会を与えようというもの。「たとえ国同士が対立していても、子どもたちが学ぶ権利は守られなくてはいけない。子どもの権利条約には、自分の国の言葉を勉強し、自分の国の価値観を知る権利があると書かれているが、日本もその条約を批准している」と強調した。

特に重要なのはこの問題を日本人が自分たちの問題として捉えることだと裵さんは話した。

愛知では、裁判に訴えようということで弁護団を立ち上げた。そのメンバーは、裵さん以外はみんな日本人。裵さんの姿を通じて朝鮮学校に対する理解を示し、「高校無償化」など、在日朝鮮人に対する不当な差別はおかしいと、賛同してくれたという。私たちのこの熱い気持ちを日本の人たちに伝える活動をぜひしてもらいたいと訴える裵さん。

「今たたかわないともっともっと状況はひどくなる。阪神教育闘争や外国人学校法案のときも、あの状況では負けが濃厚な状態だった。でもたたかったあの時の思いが、今の私たちの力になっている。だから、なにがあってもたたかっていくという気持ちを皆で共有し、必ず権利を勝ち取ろう」と訴えた。

(尹梨奈)

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