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【大相撲】

日馬富士が14勝で綱当確

2012年9月23日 紙面から

日馬富士(左)が寄り切りで鶴竜を下す=両国国技館で

写真

◇秋場所<14日目>

(22日・両国国技館)

 日馬富士(28)=伊勢ケ浜=が横綱昇進をほぼ確実にした。鶴竜との大関対決を寄り切りで制し初日から14連勝。北の湖理事長(59)=元横綱=は慎重な姿勢を貫いたが、審判部、横綱審議委員会は横綱昇進へ前向きだった。賜杯の行方は、大関稀勢の里をはたき込んで1敗を守った横綱白鵬(27)=宮城野=との直接対決に持ち込まれた。日馬富士が千秋楽の本割で白鵬に勝てば2場所連続全勝優勝となり、貴乃花以来2人目の連続全勝優勝での横綱昇進となる。

 念には念を入れ、綱とりへ王手のかかった大一番をもぎ取った。日馬富士は過去16勝8敗と合口のいい鶴竜に左から張って瞬時に右を深く差し込み一気に前へ。「まさか張り差しでくるとは…。今まで一度もなかった」と鶴竜。わずか2秒1。電光石火の寄り切りで無傷の14連勝とし、自力で横綱昇進の当確ランプをともらせた。

 「中に入ったから(前へ)出ただけ。一番一番の積み重ねが今日につながっている」。いつものようにニコリともしない。優勝を決する千秋楽の横綱白鵬との対戦に向けて「全身全霊で力を絞り出しベストを尽くしたい」と意気込んだ。

 横審の内規には横綱昇進条件を「大関で2場所連続優勝、それに準ずる成績」と定めている。この日、審判部の親方一人一人に意見を聞いた鏡山審判部長(元関脇多賀竜)は「優勝なら文句の付けようがない。準優勝でも14勝1敗ならいいんじゃないか。明日、北の湖理事長の元へ理事会の招集をお願いに行く」と語った。

 その北の湖理事長は、「まだ白鵬との一番が残っている。本割、決定戦と(負けたら)見た目どうなのか」と微妙な言い回しながらも「今(当確か)言うと日馬富士が、緊張してしまうから」と気遣った。

 日馬富士の伊勢ケ浜部屋では綱打ちのため綱の芯となる銅線やそれを巻く麻を発注。「ほとんどのことは準備しました」と伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)。かつての横綱が新しい横綱を育て上げる。「最高じゃない。自分のことはともかく弟子がそうなってくれることが一番うれしい」と万感の思いを打ち明けた。

 30連勝で貴乃花らに並んだ。そして、もう1勝。お膳立ては整った。あとは2場所連続優勝で横綱昇進に花を添えるのみ。「余計なことは考えず、悔いのない相撲をとる」。ありったけの力を込めて最後の一番に挑む。 (竹尾和久)

 

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