原稿執筆案内
2012.9
1. 原稿の種類
種類 | 内容 |
---|---|
論文(Paper) | 自然言語処理および関連する分野の研究・開発成果であり,学術的または社会的な観点から,独創性,新規性,有用性の高いもの.コーパス,辞書などの言語資源の設計・構築法,評価法に関する研究・開発成果であり,この分野の発展に貢献するもの. |
技術資料(Report) | 既存のソフトウェア,ツール,また,コーパス,辞書などの言語情報資源について,内容,構成,特徴,使用法,使用経験,評価,所在情報,入手方法など,読者に有益な情報を提供する報告. |
解説論文(Survey paper) | 言語処理学会に関連する分野についての文献を独自の視点から調査しまとめた論文.あるいは同様の調査を踏まえて将来展望を展開した論文. |
これまで投稿論文の審査は学術的な価値の評価に偏っていました.しかし,研究コミュニティがその社会的責任を果たすには,必ずしも学術的とは言えない社会的な実践における努力や創意がしばしば必要であり,学術の発展のためにはそのような活動も促進する必要があります.そこで,投稿論文の審査において従来の学術的な価値に加え,社会的な価値や言語資源構築の価値も積極的に評価することを明確にするため,「論文」の定義を上記のように改訂しました.従来以上に多様な論文の投稿をお待ちしております.
2. 原稿の体裁と書き方
2.1 原稿
ワードプロセッサで作成します.原則として,論文誌に掲載された仕上りのスタイルに準じて編集し,A4判1枚に,和文の場合,1500字程度,英文の場合,600 words 程度とします.Wordの原稿を投稿される場合は,以下のサンプルファイルに準拠した原稿を用意してください. 原稿が英文の場合,英文のチェックは投稿者が責任を持つこととします.論文が採録された場合,最終原稿のソースファイルを学会に送ります.投稿者が LaTeX により原稿を作成できる場合は,学会が指定する LaTeX スタイルファイルを適用し,ソースファイルを送ります.スタイルファイルは,以下から入手可能です. 図表については,LaTeX にもともと含まれている環境(picture環境,tabular環境など)以外の方法で書かれている場合,その図表ファイルも送付をお願いします.
2.2 標題,概要,キーワードの書き方
原稿第1ページに原稿の種別,標題,概要,さらに参照に役立つキーワードを,和文および英文で記します.和文の概要は600字以内,英文の Abstract は 200 words 以内にまとめて書きます.本文が英文の場合には標題,概要,キーワードは英文のみでも構いません.以下に例を示します.
論文
インタラクティブ機械翻訳システム
概要(600字以内)
キーワード:機械翻訳,インタラクティブ・システム,インタフェース
Paper
An Interactive Machine Translation System
Abstract (in 200 words or less)
Key Words: machine translation, interactive system, human interface
インタラクティブ機械翻訳システム
概要(600字以内)
キーワード:機械翻訳,インタラクティブ・システム,インタフェース
Paper
An Interactive Machine Translation System
Abstract (in 200 words or less)
Key Words: machine translation, interactive system, human interface
2.3 本文
英文キーワードの次ページから本文を書きます.まえがき,本論,むすびの順とします.図,表の書き方は,以下のように,一連番号を付け,説明を記します.
図 1 ○○○ 図 2 △△△ 表 1 ×××
Figure 1 ○○○ Figure 2 △△△ Table 1 ×××
Figure 1 ○○○ Figure 2 △△△ Table 1 ×××
2.4 参考文献
参考文献は,主文中の該当箇所に著者名(筆頭著者)と年号を( )でくくって表示します.その際,同一著者の同一年の著作物については,年号の後ろにアルファベットを記して区別します.原稿末尾の参考文献は著者名のアルファベット順に列挙し,各文献の先頭に主文中の表示を記載し対応させます.参考文献は原則として,雑誌の場合には,著者,発行年(西暦),標題,雑誌名,巻,号,ページを,単項本の場合には,著者,発行年(西暦),書名,発行所を,この順に書きます.以下に例を示します.
- 主文中の表示
(Aho and Ullman 1972a; Shannon 1951) - 参考文献 (References)
参考文献
Aho, Alfred V. and Ullman, Jeffrey D.(1972a). ``Optimization of straight line code.'' SIAM J. Computing, 1(1), pp. 1-19.
Aho, Alfred V. and Ullman, Jeffrey D.(1972b). The Theory of Parsing, Translation and Compiling, Vol.I:Parsing. Prentice-Hall, Englewood Cliffs, N.J.
大川太郎 (1995). 超高速構文解析法. 言語処理, 1(3), pp. 10-17.
Shannon, Claude (1951). “Prediction and entropy of printed English.” Bell Systems Technical Journal, 30, pp. 50-64.
遠山金太郎(1989). 数学の基礎. 銀座書店.
2.5 付録
長い数式の誘導とか,装置やシステムの詳細説明などが必要な場合,本文を読みやすくするため,本論文からはなして付録とします.付録の位置は参考文献の後,著者紹介の前とします.2.6 著者紹介
原稿が採録された場合に送付をお願いします.略歴は100字以内とし,氏名,生年,最終学校学部学科名と修了年次,現職と職務,受賞,学位などを記入します.以下に例を示します.なお,本文が英文の場合は,著者紹介も英文で記入してください.大岡 五郎(正会員)
1970年京東大学工学部電子工学科卒業.1975年同大学院博士課程修了.工学博士.同年,平成電機(株)入社,現在,技術部マルチメディア課課長.音声言語システムの研究開発に従事.情報処理学会,ACL各会員.
3 原稿の送付
投稿論文情報に査読用原稿を添付して編集事務局宛に電子メールでお送りください.原稿が英文の場合には,英語での査読の受理が必須となりますが,日本語での査読の受け入れの可否を投稿時にお知らせください.- 投稿論文情報
- 論文の情報:原稿の種別,著者,表題,概要
- 代表著者の連絡先:氏名,郵便番号,住所,所属機関,部課名,電話番号,FAX番号,メールアドレス
- 査読用原稿のpdfファイル
- 原稿には著者名,謝辞など著者が特定できる情報を載せないでください.
- 論文ファイルのプロパティに著者(所属)情報を入れないでください.プロパティの削除方法は下記をご覧ください.
- FILE名は「年月日_査読用原稿.pdf」にしてください.
- PDFファイルが作成できない場合は編集事務局までメールでご相談ください.
4 学会での原稿の取扱い
(1) 編集係で受理した後,電子メールで受領書を送付します.ただし,編集委員会があまりにも査読が困難であると判断した原稿については不受理とし,電子メールで通知します.
(2) 査読結果
投稿原稿は査読者の審査に基づき,編集委員会で以下のいずれかに決定します.A 採録
B 照会
著者に照会して回答または修正などを求め,改めて査読を行います.照会は,部分的に論旨が不明な点,あるいは錯誤と思われる箇所への問い合わせを主眼とします.照会への回答は文書にして下さい.照会事項に関連して原稿に手を加える場合は,変更箇所と変更理由を明示して下さい.回答期限は原則として1ヶ月以内で,3ヶ月を経過した場合は,取り下げたものと見なします.
C 不採録
(3)項に示す場合には,不採録とし,理由を付けて著者に返却します.
(3) 投稿原稿を不採録とする場合.
(i) 当学会の分野でない場合.
(ii) 本質的な誤りがある,あるいは客観的に認知できない内容である場合.
(iii) 内容の程度が低く,論文としての新規性,重要性がない場合.
(iv) 他論文誌,雑誌に既発表,または公知の場合.定期刊行物(他学会協会,会社機関誌,商業誌など)に掲載されたものは既発表としますが,学会大会,研究会,シンポジウム,国際会議などの口頭発表に伴う資料については著作権所有者の許可を得ている場合に限り認めます.
(v) 難解,形式不完全で改良される見込みがない場合.
(4) 査読期間
査読は,1ヶ月以内に完了することを原則とします.
(5) 校正
校正刷は著者に送り,1週間以内に校正をお願いします.校正の際に元原稿,原図面などの訂正は原則として認めません.
5 執筆に際しての注意事項
執筆に当っては,他人の著作権を侵害しないよう,次の点に十分留意してください.- 他人の著作権の侵害,名誉毀損の問題を生じないように配慮する.
- 公表された著作物を引用するときには,必ず出典などを明示する.
- 万一,執筆内容が第三者の著作権を侵害するなどの指摘がなされ,第三者に損害を与えた場合,執筆者がその責を負う.
6 著作権および電子媒体による論文の公開
著作権は原則として本学会に帰属するものとします.著作権が所属機関にある場合などで,本学会に帰属することが困難な場合は申し出により協議します. なお,本学会は,掲載論文が広く学術研究に利用できるよう,電子的な論文データベースJ-STAGE等のサービスに提供することがあります.掲載論文の著者が当該論文を電子化し,計算機ネットワーク,CD-ROMなどの電子媒体を用いて,当該論文を第三者に公開する場合,当該論文が所載されている「自然言語処理」の巻号頁を明記して,第三者に明瞭に分かるようにしなければなりません.
7 別刷り代
投稿原稿が採録された場合,別刷100部の購入を義務として別刷代を納めていただきます.別刷代は刷り上がりで15ページ(和文22,500字程度)までが3万円,それ以上は 1ページに付き5千円が加算されます.ただし,MSWordで作成した原稿やLaTeXを使用していても組版作業に多くの労力を要する場合は割増し料金が発生する場合があります.指定のスタイルファイルを使用し,組版が容易に済むよう,ご協力ください.また,以下のような別刷代免除制度があります.
別刷代を私費で負担せざるを得ない投稿者を援助し,自然言語処理各分野からの優れた論文の投稿を奨励する制度が設けられています.この制度は,たとえば,論文投稿費用の支出制度を持たない研究組織に属する研究者,研究遂行時から所属組織が変わった研究者など,「所属組織からの別刷代支払いが困難な」投稿者に対して別刷代の免除をするものです.この免除を希望する場合には,希望する理由を記した文書(簡単なもの)を添えて論文投稿時に申請してください.編集委員会で審査の結果適当と認めた場合には,掲載論文に対する別刷代が5万円を限度として免除されます.
言語処理学会編集委員会は,2012年4月から2013年3月に採録された論文について別刷り費用の上限を論文のページ数にかかわらず3万円とするキャンペーンを実施しています. 本施策は,論文の著者が会員でなくても適用されます. 是非この機会を捉えて投稿をご検討ください.