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漁船1000隻の背後に潜む 中国海軍 秘められた実力

【政治・経済】

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2012年9月19日 掲載

危うい勇ましさだけのナショナリズム

 中国公安当局は19日、北京の日本大使館前などでの反日デモを禁止する方針を決めた。とはいえ、当局の“規制”で反日感情がすぐに収まるわけがない。尖閣沖には約1000隻の漁船団が操業に向かい、日本の接続水域では監視船がウジャウジャいる。
 大量の漁船と監視船を係争海域に送り込み、徐々に実効支配を強めるのは中国の常套手段だ。
「中国は南シナ海でもフィリピンやベトナムと領土問題を抱えている。今回と同様、まず漁船団を送って漁業活動を活発化させた後、監視船が『中国漁業を守る』との名目で海域に頻繁に現れるようになりました。そうやって係争国を牽制し、中国の主権を世界にアピールしていくのです」(外交ジャーナリスト)
 日本の軍事専門家の間では「日本の海上自衛隊と中国海軍を比較すると、装備や戦術などで力の差はまだ100対1ぐらい離れている」との解説が飛び交っているが、ベールに包まれた中国海軍はどの程度の軍事力を持っているのか。
「中国は昨年3月に発表した5カ年計画で、海洋権益の確保を掲げた。その方針に沿って、海軍の近代化にも力を注いでいます。日本の防衛省リポートでは、海上戦力は艦艇1090隻、駆逐艦や潜水艦などが計140隻、海兵隊員は約1万人と推定されています。中国は海軍とは別に、海上権限を持つ機関が複数あり、現在、尖閣海域で海保とにらみあっているのは、国家海洋局の指揮下にある『中国海監総隊(海監)』。日本でいえば、海上保安庁のような役割です。ほかにも、公安部の指揮下にある『公安辺防海警総隊(海警)』や、農業部漁業局の直属部門である『漁政』など5つの機関があり、有事の際は当然、海軍と歩調を合わせて動くでしょう」(防衛省事情通)
「海警」や「海監」「漁政」は1000トン以上の哨戒船艇を合計で40隻以上も保有している。
 元外交官で外務省国際情報局長だった孫崎享氏はこう言った。
「武力衝突となれば、海だけではなく、空も重要になる。中国は対台湾に備え、330機の戦闘機を保有しており、米国防省も空軍の力を認めています。さらに、中国はミサイルも持っています。人工衛星を打ち上げる国ですから、当然、命中精度は高いでしょう。日本が中国と戦って勝つ可能性は全くありません」
 日本もホコを収めるべきだ。
~2012年9月19日以前の記事~

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