中国に押された日本、軍備増強の可能性

 日本は尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる最近の対立で中国に完敗したと評されている。軍事面と経済面の圧力カードを切った中国に押されっ放しだったからだ。日本の専門家は「今回の事態が日本の右傾化傾向を加速させる可能性がある。日本が中国の力に押されたとの判断を下せば、本格的な軍備増強に乗り出すことがあり得る」と指摘した。日本の軍備増強は韓中日による自由貿易協定(FTA)交渉など初歩段階にある3カ国の協力体制に悪影響を与えるだけでなく、中国、韓国を刺激し、東アジアに軍拡のドミノ現象を招くとみられる。

■中国の脅威口実に

 ソウルの外交筋は21日、「中国が今回、完勝を収めたように見えるが、実は日本の右翼が数十年間願ってきた集団的自衛権の確保など軍事力増強に口実を与えた」と指摘した。

 日本は2010年に尖閣諸島海域で中国漁船と海上保安庁の艦船による衝突事件が起きて以降、軍事力を強化する措置を取ってきた。日本は昨年、尖閣諸島が敵国に占領された状況を想定し、奪還を図るための自衛隊の陸海空合同演習を実施した。また、2016年以降、米軍の無人偵察機グローバルホークを導入し、尖閣諸島一帯で中国海軍の動向を監視する計画だ。

 一部の専門家は「今回の『尖閣の屈辱』を契機として、日本の国民総生産(GDP)の1%未満に抑えられている防衛費が1%の壁を破る可能性がある」と予測した。韓国のシンクタンク、世宗研究所の陳昌洙(チン・チャンス)日本研究センター長は「日本の軍事大国化の動きは、既に相当進展した。尖閣諸島問題でそうした動きが強化される可能性がある」と指摘した。

崔賢黙(チェ・ヒョンムク)記者 , チョン・ヒョンソク記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト