・2012.9.20(その3)

森田実の言わねばならぬ/平和・自立・調和の日本をつくるために【838】

《今日の論点(3)》『週刊文春』2012年9月27日号の総力特集「日中一触即発!」に書かれた“真実”/山口壯外務副大臣の日本の国益を守るための孤軍奮闘と、これを妨害し日本を危機に陥れた暗愚の宰相(野田首相)と愚かすぎる玄葉外相/山口壯氏は民主党で外交のわかる唯一の大人の政治家である

「世の中で最も強い人間とは、孤独でたった一人で立つ人間である」(イプセン)





 上記のイプセンの言葉は、正常な日中関係をぶち壊した野田首相、玄葉外相、藤村官房長官の野田政権三無能コドモ政治家による卑劣な妨害に耐えながら、正常な日中関係を守るために孤軍奮闘した山口壯(つよし)外務副大臣(衆議院議員、兵庫12区)に当てはまる言葉として引用した。山口壯外務副大臣こそ、真の政治家である。外交のできるすぐれた政治家である。
 この山口壯外務副大臣のことが、9月27日号の『週刊文春』総力特集[日中一触即発! 「人気取りと夏休みが大事」野田首相・玄葉外相 亡国外交ドキュメント]と題する記事の中に出ている(pp.30-31)。一部を引用する。
《香港活動家による上陸事件の後、日中関係の沈静化を図るため、日本政府は八月二十八日に、元外交官で在中国大使館での勤務経験もある山口副大臣を中国に派遣した。山口副大臣は、三十一日に、戴秉国・国務委員と会談、野田総理の親書を手渡している。
 「山口副大臣は、八月の香港活動家らによる尖閣上陸事件の際も、独自の外交チャンネルを活かしてスムーズに事後処理を行った実績がある。今回の訪中時にも『きちんと対話をしたい』という趣旨の親書を携えて行ったことから、中国外交のトップである戴氏が、当初三十分の予定だった会談を三時間まで延長してきたのです。中国側は、尖閣問題で波風を起こさないと日本政府のメッセージを受け止め、新たな提案があったと聞いている」(前出・日中外交筋)
 ところが、山口・戴会談の前夜、日本国内では別の動きが起きていた。
 「実は、会談した三十一日の前夜、玄葉外相は首相公邸で野田総理と尖閣諸島の国有化について、灯台の建設など具体的なテーマで極秘会談を行っていたのです」(前出・外務省関係者)
 結局、日本政府は中国側の提案にボールを投げ返さないまま、国有化の閣議決定に至った。
 「野田首相の親書とは正反対の対応に、二枚舌外交だと中国は激怒した。山口副大臣は、玄葉外相に『無用な混乱を避けるため、国有化の閣議決定は延期した方がよい』と進言しましたが、聞き入れられなかったそうです」(別の外務省関係者)
 実は玄葉外相は以前から山口副大臣に強い対抗意識を燃やしていた。
 「山口氏に総理の親書を持たせながら政府特使にしなかった。さらに『(戴氏に)絶対に会えないよ、フフフ』と周囲に漏らしていました。山口氏へのやっかみもあったのでしょう」(同前)
 元外務省主任分析官の佐藤優氏は、一連の対応をめぐる外交の技術的ミスを指摘する。
 「政府は、野田総理がAPECで胡錦濤主席と会った翌日の閣僚会議で尖閣国有化を決め、翌々日には閣議決定してしまいました。中国はメンツを重視する社会ですが、胡主席のメンツを完全に潰してしまった。同時に、中国における日本との融和的なグループ、あるいは日本の力を認めて冒険してはいけないと考えている現実的なグループの立場を弱くしてしまった。
 山口副大臣は、国有化まで時間を置いた方がいいと発言していますが、決して“弱腰”で譲歩しているわけではなく、より現実的に中国を警戒しているからです。日本が嘘をついた形になって、中国につけいる口実を与えてはいけない、と考えていたからなのてす」
 私が取材したことと、『週刊文春』9月27日号の記事は、一致している。山口壯外務副大臣は、本当によくやったのである。山口壯氏にまかせておけば、今回のような大混乱を避けることは可能だった。しかし、玄葉外相は山口壯氏の努力を無にするつまらない妨害工作を繰り返した。野田首相は松下政経塾出身の玄葉外相に従った。こうして大混乱が起きた。責任は野田首相と玄葉外相と二人に協力した藤村官房長官が負わなければならない。(つづく)