これが言いたい:外部の力を生かせる学校に=横浜市立市ヶ尾中学校校長・平川理恵
毎日新聞 2012年08月23日 東京朝刊
たとえば、サッカーワールドカップ日本代表の川島永嗣選手やパラリンピック走り幅跳び代表の佐藤真海選手らトップアスリート。宮城県・雄勝の「漁師の会社」オーガッツの発起人、立花貴さんは家庭科でサケの解体ショーを披露された。理科の食物連鎖の単元で積水ハウス社員による校庭の樹木を観察するフィールドトリップ、三洋電機社員によるエネルギーマネジメントの授業が実施されたが、CSR(企業の社会的責任)として無料で引き受けていただいた。
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こうした活動は民間人校長でなくても正直言って誰でもできる。校長がプロデューサーとして教育課程を自分なりに考え、協力を要請すれば教員も「スポーツ選手」とか「宇宙飛行士」とリクエストしてくる。いきなり電話をかけたり、手紙を送ってなしのつぶてで終わることもある。当たって砕けろだ。校長自身の挑戦が職員室を明るくすると思う。
会社経営時は「事業を通して日本に勇気と元気と活力を!」が社是だったが、大きな事ばかり言わず市ヶ尾中学校、そして他の学校の少しでも参考になれば幸いだ。まだまだ思ったところの10%も達成していないが、社会の要望に応えられる学校を見いだしたい。大丈夫、学校は必ず良くなるはずだ。
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