最終更新: 2012/09/23 03:42

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宮城・石巻市の水産加工業復興に、新たな問題が浮上しています。

宮城・石巻市の水産加工業復興に、新たな問題が浮上しています。
東日本大震災で壊滅的な被害を受けた、宮城・石巻市の水産加工業。
その復興に、ブレーキをかける問題が浮上しています。
野島 卓キャスターが取材しました。

震災直後、ひどいところでは、1m70cmの地盤沈下が発生した石巻市は、あたり一面が水浸しになった。
あれから1年半、町は様変わりしていた。
石巻漁港では、急ピッチで護岸工事が行われている。
この工事によって、内側への海水の浸水は止まったが、逆に新たな問題も発生している。
以前は、浸水に悩まされていた水産加工団地は、今は、浸水は見られなくなった。
護岸工事と並んで、県や市が進めているのが、地盤のかさ上げ工事。
水産加工団地は、震災の影響で、地盤が下がってしまった。
県や市では、海水の流入を防ぐ護岸の再建をする一方で、地盤沈下で雨水がたまってしまわないよう、地盤全体75haのかさ上げを計画した。
ところが、一部の会社では、かさ上げを待たず、残された建物で事業を再開したため、結果として、地盤の高さが、まだら状になってしまった。
宮城県東部地方振興事務所水産漁港部の片倉善道専門監は「60社を超えるところがですね、現状で再開したり、再建しようということで、もう着手していたんですよね」と話した。
水産加工団地全体で、230ある会社のうち、建物の被害が比較的小さかったところは、そのまま企業が使っていて、かさ上げがされないという。
水産加工団地の中にあり、海岸線からわずか100メートルのところにある大興水産株式会社の、津波の直撃を受けた海岸寄りの空き地は、震災前には倉庫が建っていた。
今は、解体された更地に土が盛られ、かさ上げが行われた。
しかし、被害が少なかった建物は、そのまま利用されている。
このため、ある問題が起きている。
大興水産株式会社の大塚敏夫社長は「必ず冠水の問題が出ますね。かさ上げをしないで、もう既存のもの(建物)が建ってますから」と話した。
さらに大興水産では、1日でも早い本格的な事業再開を目指し、行政のかさ上げ工事を待たずに新社屋を建設した。
大興水産株式会社の武 秀也工場長は「(1階のところが相当高くなっている?)そうですね。かさ上げが何メートルになるかわからない時から建てていますので、地盤から2メートル上げて建ててます」と話した。
コンクリートで、自ら、建物の高さを2メートル上げた新社屋は、10月に完成予定だという。
一方、同じ水産加工団地の中では、行政の正式なかさ上げ工事を待ち、再開がままならない人もいた。
船具店の平塚 勇さんは「ここのかさ上げさえ早くやってもらえれば、ここに建物を建てようという、そういう考えでいたんですよ」と話した。
平塚さんは、魚市場のすぐ近くで船具店を営んでいた。
震災後、すぐの事業再開を考えていたが、周辺のがれきの撤去が進まず、更地にもなっていない状態で、事業再開が遠のいているという。
船具店の平塚 勇さんは「漁船の人たちに支えられて、商売成り立ってきたもんですから、あくまでも、ここはやりたいと」と話した。
行政と企業のスピード感の違い。
その原因について、宮城県東部地方振興事務所水産漁港部の片倉善道専門監は「マンパワーが不足ということがあります。求めているのは、設計業務とか見積もりの業務とか、土木の技術職なんです。あと、地区ごとにかさ上げしますけど、『地権者の方、どうしますか』と、全ブロック聞きました。大体4カ月かかりました」と話した。
水産加工団地で、かさ上げ工事が完了したのは、まだ半分。
本格的な水産加工業の復興には、まだ時間がかかるとみられる。

(09/22 21:02)


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