- [PR]
国際
【緯度経度】経済失速への起爆剤? 対日制裁、困るのは中国 北京・山本勲
中国は従来の鉱物資源や食料などの1次産品から工業製品への輸出転換を急速に進めているが、その土台は日本が支えているといっても過言ではない。
この現状下で経済への先行き不安が急速に強まっている。地価・労賃急騰などで外国企業の対中投資は1~8月累計で3.4%減った。常に一歩遅れる日本企業だけは19%(1~7月)も増やしていたが、暴動を機に急減は必至だ。
世界景気の低迷で8月の輸出は前年同月比2.7%増と、2割以上の伸びを続けた過去とは様変わりだ。中国の今後を危ぶみ始めたためか資本流出も始まり、4~6月の外貨準備高は20年ぶりに減少に転じた。
政府は9月に入り1兆元(約12兆円)の公共事業投資を追加するなどして、7.5%の成長目標達成に懸命だ。しかし政府投資とともに成長の両翼だった外資導入と輸出がこのありさまでは、決して楽観できない。
各地のデモ・暴動では、毛沢東の写真や肖像画を掲げたプラカードがあふれた。共産党政権の腐敗・堕落や激しい所得格差への民衆不満も爆発寸前だ。対日制裁にかまけていると経済失速はおろか、体制を揺るがす事態も招きかねない。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]