兵庫・川西の高2自殺:いじめ調査へ 市第三者機関が独自準備
毎日新聞 2012年09月21日 大阪朝刊
いじめを受けていた兵庫県川西市の県立高校2年の男子生徒(17)が自殺した問題を受けて、同市が設置する第三者機関「川西市子どもの人権オンブズパーソン」は20日、事実関係の調査や再発防止策の策定に向け準備作業を始めた。いじめなどの問題解決を目指して98年に全国で初めて条例で設けられた機関で、通常は被害者側からの申し立てを受けて対応するが、事案の重大性から独自に準備を始めることにした。
同日の会合で確認した。事務局によると、市立の小中学校や市教委には独自調査や是正勧告などの強い権限を持つが、県立高校や県教委には協力を求めるしかない。当事者が死亡したケースでの活動も異例だが、今回は可能な範囲で活動すべきだと判断した。第三者機関の設置に向けて検討を始めた兵庫県や県教委と連携を図る。
オンブズパーソン代表の浜田寿美男・奈良女子大名誉教授(発達心理学)は「防げなかったのか。背景を明らかにしたい」と話した。
一方、共同通信によると、県立高校は制服で登下校していた生徒が中傷を受けた事例があったとして、私服での通学を全校生徒約800人に呼び掛けた。県警川西署に登下校時の警戒を相談している。【高瀬浩平】