Gl17

フォークランドは「経済利益は戦争を抑制する」実例でもある

http://riabou.net/archives/43
「戦争なんか起こるわけがない」は思い込みだという歴史的実例(リアリズムと防衛を学ぶ)

「経済利益があるから戦争なんか起きない・・・本当にそうか?」て意見を言う人はネット上で結構多くいます。
そうやって、軍事衝突可能性や国家間利益関係といったものを度外視して、軍備の必要性とか訴えちゃうタイプ。
いや上記のブログさんはそういう主旨とはかなり違うんだけど。
そういう人を今まで多く見ました、上記記事のブコメもそっちへ解釈してそうなのがちらほらと。

その実例として、誰かいつか挙げるんじゃないかと思ってましたフォークランド。
前々から待ってた割には言う人が中々出現せず、不思議だったんだけど。
わりとマイナーな紛争だから言及できる人自体がいなかったのかな?

双方、相手が開戦するとは思ってなかった、これは確かにその通り。

ただ、フォークランドというのは逆に「経済利益が戦争を抑制する」実例でもあるんですよ。
かなり珍しいことに、開戦当初から双方、戦場をフォークランド(マルビナス)に限定すること、本土には手出ししないことを明言していました。
つまり国土へ被害が及ぶような冒険はできないと、戦争になったとはいえきっちり線引いてるんですね。

一般的イメージでの戦争だと、手出しできる所へは手を尽くして敵を叩く、みたいな前提でしょうけど、そこが相当特殊だったわけです。
結局、"双方とも戦争したくなかったから"てのが、不運にも開戦した後であれ、極度の抑制をもたらしたわけです。
経済利益があったから絶対に開戦しないとは限らないが・・・。
開戦したからといってどこまで行くかは、結局利益の有無が決定付けるのです。

引用記事では他に予想外の開戦として、太平洋戦争と湾岸を上げています。
うーん、コレ適正な例えなのかは極めて疑問が・・・。
これらはいずれも、片方は紛争意欲満々、「強い米国以外と限定でヤリたかった」という例です、戦争はしたくて仕方ないケース。
かつ、米国側は戦争準備もしっかりしていて、やるとなったら確実に勝てる、ということで忌避する理由もあまりなかった。
一次湾岸なんかそもそも、米側がフセインをわざと安心させて、仕掛けを誘って潰したとも言われます。
それを予想外と言うのは余りにおかしいでしょ。
単にフセインの読みが間違っていただけで、世界的論調としてはむしろ"一触即発"でしたよ? 予想通り開戦と言うべき。

あと、備えが必要とか書いてるけど、自衛隊装備は中国よりも質では上だし(予算どれだけ費やしてると!)、米国だっているんだし。
備えはあるでしょう、既に。
過度なムチャクチャはやれませんよ、無論ね。ただ、そこを備えが「ない」みたく書いてしまうのは、どう見てもミスリードでは。
何も国家間対立の勝敗決定要因は、軍事だけではないし、むしろ経済・政治要因が大きいのに。

記事とは関係ないけど「経済利益」という面では、太平洋・湾岸ともに「経済利益対立こそが戦争の要因」という実証例でもあります。
また、3件の戦争でいずれも敗者に共通する点があります。
アルゼンチン、日本、イラク、どれも相手側をナメて大胆な挙に出て、逆に叩き潰されているという点ですね。
まともな展望も無いのに賭けに出れば、結果は負けしかないということです。
今回の件で言えば、後でどう対処するかも判らないのに、一方的に挑発を仕掛けたト知事でしょうか。あんな見事な負けフラグありません。

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