台所でイノシシを解体したよ。

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台所でイノシシを解体したよ。ちはるの森

この間、同居人から「イノシシとれたよ!解体する?」とメールが来ました。
千葉にいたときは「今日、鶏しめる?」だったから、私たちもだいぶたくましくなったなあ…。どうやらその日、畑で罠にかかってたのだそう。

今回は、この可愛いイノシシちゃん解体のおはなしです。
 

まずは罠にかかっているイノシシちゃんをご覧ください。

 

 

かっかわいい!
お尻ふりふりしとる!!!!

 

イノシシはだいたい6月くらいに子どもを産むので、この子たちはだいたい生まれて2−3ヶ月。動物園にいそうなくらい可愛い子なのに…!

 

でも、この子達が畑を荒らして野菜を食い散らかしていくんだよね。
ちょっとでもかじられたら売り物にならない。
そしたら農家さんは暮らしてけない。
見た目はかわいいけど、農家さんにとっては脅威の生き物なんです。

 

だから、通常「猟」の時期は2月までなんだけど、害獣に指定されているイノシシは「駆除」として捕まえることができる。

こういう場面を見ると、結局野菜を育てるのも沢山のいのちが関わってるんだなって改めて思う。
畑を守るために駆除されるイノシシ、シカもそうだし、ばらまかれる殺虫剤でいのちを落としていく虫だってそう。
野菜だって、沢山のいのちの上に成り立ってるんだよね。
昔の記事でもこんなようなこと書いたな…)

 

動物を食べるのはダイレクトだから分かりやすいけど、どんなものだって何かのいのちのおかげで成り立ってる。いのちがあるものの繋がりは、断ち切ることなんて出来ないんだろうな。こういう発見があるたびに、物事の隙間と隙間をきちんと想像できる人でありたいなって思う。

 

今回の記事を通じて、単なるお肉の解体だけじゃなく、
畑のことや、その周りのいのちのこともちょこっと想像してもらえると嬉しいな。

 

というわけで、今回は前みたくおっきい子じゃなくて、イノシシの赤ちゃん通称「ウリ坊」。捕まえたときの写真をもらったので、紹介します。

※今回もウリ坊がかわいいだけに少々ハードなので、苦手な人は見ないほうが良いと思います。

まず、罠にかかっているウリ坊たち、
空気銃で頭を打ちます。(あぁ…!)

 

 

その後に毛を焼ききります。(あぁー!)

 

 

イノシシは、鼻と尻尾を役所に持っていけば「駆除料」がもらえるんだって。
確か、一頭2,000〜4,000円くらい。
子どもも大人も同じ料金みたいだよ。

だから、私のところに来た子も、鼻と尻尾はもうなかった。

 

 

それと、血抜きもされてたので、内蔵はからっぽの状態です。

 

 

前回は80キロとかで一人じゃ出来なかったけど、
今日は初めて一人で解体に挑戦!

しかも、シェアハウスの台所で。
(今、シェアハウスに12人で住んでます。笑)

生活感あふれるこの台所で、前の解体で教わったことを思い出しながら頑張る!

 

 

手順は、大人と一緒。
皮を剥いで、各部位に切り分けていきます。

まずは足首から切れ目を入れ、皮を剥がしていきます。

 

 

すすめていくと、首のあたりの皮を剥ぐのが難しかったので、一旦首を落とします。

(…と、さっくりと書いているけれども実際は超ビビった)

そして、お腹からナイフを入れすすめていきます。

でも、大人と違って脂全然ない!
臭みも、少ないかも。

 

 

順調に、半分くらい剥ぐ。
大人の時と同じように、皮に穴をあけて引っ張ります。

 

 

後ろ足が難しくて、ナイフの切れ目が入ってしまった…
↑のちのち、師匠に突っ込まれたw

ナイフは立てず、皮の裏側に当てるように切っていくのが上手なやり方です。
本当はイノシシの体の曲線にあったナイフが一番良いんだけど、持ってないので台所包丁でなんとかしのぐ。
(イノシシの皮剥ぎをカッターでもやる人がいるのも、しなって体にフィットするからなんだろうね)

 

そして、脂が少ないとはいえ、やっぱりイノシシ。
切ってるとナイフが切れなくなってくる。

 

イノシシをさばくときは、沸騰させたお湯も用意するのをおすすめします。

 

 

そして、顔の皮も剥ぎます。
個人的にはここが一番つらかった。。

目が…目がぁあ!!!(´;ω;`) ※写真は自重。

 

 

と、このあたりでシェアメイトのけいちゃんが台所に降りてきた。

け「なんしとるとー?」
ち「イノシシさばいとる!」
け「!? うおお、すげー!」 の図

 

 

そりゃあ、シェアメイトが台所でイノシシさばいとったらビックリするよね。笑
今度みんなで猪肉カレーでも食べようね。

 

そしてそして、後ろ側まで剥げました!

 

 

剥いだ皮。
前やった大人の皮とはぜんぜん違うね。

 

 

※前やったイノシシの皮はこちら(記事はこちら

 

 

全部裸にしたら、お腹を上にむけて後ろ足(もも肉)を外していきます。

まず、内側から切込みを入れ、お肉に沿って切っていきます。
脂がないので、ほとんど鹿みたいな感じ。
お肉一つひとつの塊が薄い膜で覆われてて、そこを切ったり引っ張って破いたりして解体してくのです。

ある程度お肉が切れたら、関節を逆方向に折り、脱骨させます。

 

 

筋を切ります。

 

 

それからは足を上に持ち上げ、肉の重みで剥がれてきた部分を切っていきます。

続いて前足も。
こちらは関節がつながってないので、膜を剥ぐだけで外れて簡単です。

そして、前足後ろ足が取れたら、
部位の中で一番高級なヒレ肉を取り出します。

お腹の方にひっくり返して内部を覗き込むと、
後ろ足の付け根あたりの骨にくっついてるのがヒレ肉。

 

 

一頭から取れる量が少なく、柔らかくて美味しいため一番いいお肉とされてるみたい。

続いて、背骨についているロースを切り出します。

 

 

ロースは、イノシシのお肉の中で2番目に柔らかいお肉。
(牛でも同じみたい)

Tボーンステーキとかはこの部分ですね。
骨に沿って、こそげ落とすように切り落とします。

美味しいお肉は無駄なく取り出したいもんね。

 

そして最後はバラ肉!
予め背骨側と内蔵側の骨に沿って切込みを入れ、
首のほうから縦にざっくりと切り込みます。

 

結構力いる…
(80キロイノシシ解体の時は、チェーンソー使った)

そしてそして、ついに解体終了!(だいたい)

左から時計回りに、バラ肉、耳、ヒレ、頭、豚トロ(首)、ロース、後ろ足、前足。

 

 

ここから先は、料理に合わせてその時さばこうという事に。

私やっぱり疲労困憊だったし、時間かかったけど
うり坊だったら一人でできるかも…という自信がついた!
ちはるはまた一つレベルアップした!

でも、厳密に言うと血抜きをしていないから「最初から最後まで」ではないのかも。
イノシシは殺してすぐ血抜きしないといけないので、なかなかチャンスがないんだよね…。罠にかかっているかどうかは運だから。
いつかは、罠のところからやってみたい!
畑もやるだろうし、その時には罠の免許も持ってたいな。

 

そしてお肉は一人じゃ食べきれないので、シェアメイト用と、会社用と、おすそ分け用に分けてそれぞれ冷凍。

タイ料理屋さんでは、イノシシのスペアリブ海老味噌煮込みに大変身!

 

 

会社に持っていったおすそ分けお肉は、ジューシーな猪肉チャーシューになったのでした。

 

 

食べてみると、さっぱりしてて柔らかい!!!
大人のイノシシとは全然違う。
脂っぽさも獣臭さも少ない気がするよ。

やっぱりどんな生きものも、若いと美味しいのかなぁ…と思ったり。
うんうん。

 

前回はイノシシが大きすぎて、一人ひとりが部位を分担してやったから全体の流れが見えなかったけど、今回はちゃんと伝わったでしょうか?

まだまだ私も修行の身。
もっともっと頑張ります!

 

 

ちなみに、ブログでは何度も書いてますが(よく誤解される)
解体はするけど普段はライトなベジタリアンです。

自分が殺せるものをメインに、バランスを見ながら食べるスタイル。
なので、野菜>魚>>>鶏な感じ。
四つ足はあんまり食べないです…解体疲れるので。

解体始めてから半年くらいはお肉が全く食べれなくなったけど
最近はまたちょっと食べられるようになってきた!

刺激の多い都会に住むようになったからか、
お肉に慣れてきたのか。

ただいま進化中です。

 

////////////////

 

それと、最後にちょっと話飛ぶけど
この間「NPO伝統肉協会」さんという団体を紹介してもらった。

ここでは、日本で古来から食されてきた野生鳥獣肉を「伝統肉」と定義し、多様性のある食肉文化発展のための活動を続けているんだそう。

駆除したイノシシたちを美味しく食べられて、お肉の「旬」や、お肉を通じた自然の繋がりを感じられるのってなんかいいなって思った。

ジビエは寒くなる冬が脂肪が付いてて食べごろだけど、太るように配合された餌がベルトコンベアーで運ばれてくる工場みたいなところで育ったお肉は旬とかないもんね。。
(だから安定供給ができるっていうのもあるけど)

そう考えると、山を駆けまわって自分が食べたい物を食べてるジビエってとってもナチュラルだなーと思う。
なんでこういう食べ物があんまり食べられなくなっちゃったんだろうね?
文化が変わったから?

お肉あんまり食べられないけど、お肉について色々勉強してみたいなって思った!
昔の人は、どうやって食べてたんだろうね。

というわけで、またひとつ気になることが増えたちはるでした。
何か発見があったらまた報告します!

 

★ちはるの解体成長ブログが読みたい方はこっちを見てってねー:)
http://chiharuh.jp/?cat=10

 

\ またねー! /

about me!!

About chiharuh

twitter: @chiharuh facebook: http://www.facebook.com/chiharuh 中滝アートビレッジ在住。 カナダ留学後、ウェブマガジンgreenz.jpインターンを経て、NGO/NPO支援・映画配給事業を行うユナイテッドピープル株式会社に就職。 2011年3月、半農半Xのワークスタイルを目指し千葉県いすみ市に会社ごと移住。オフィス隣の小さな畑で野菜を育てる。 大の旅好きで、オーストラリアのエコビレッジ・インドのラダックなどを訪問し、サステナブルな暮らしを学ぶ。 ただいまヒューマンスケールな生き方を実践中! 何で私が田舎暮らししてるのか、お仕事のことやこれからのこと。 インタビュー受けたのでよかったらどうぞ。 → http://luvlab.ex-tra.jp/2011/11/post-20.html

2 Comments

  1. とても興味深く読ませて頂きました こういう授業が学校にあると良いですね これからはサバイヴァルLIFE 生きる力を身につけなければ

  2. nsoderland

    家にやぎがいるけど、いままではただ埋めていた。これから勇気をだして肉を得たいです。でも首の血管を切る方法が分からない。どなたか知っていたら教えてください。

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