国際【国際情勢分析 矢板明夫の目】懸念される習時代の日中関係+(2/3ページ)(2012.9.22 18:00

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【国際情勢分析 矢板明夫の目】
懸念される習時代の日中関係

2012.9.22 18:00 (2/3ページ)矢板明夫の中国ネットウオッチ
北京の人民大会堂で、会談相手のレオン・パネッタ米国防長官の到着を待つ習近平国家副主席(左から2人目)。会談で習氏は異例の強い口調で発言し、対日強硬派の一面をのぞかせた=19日(AP)

北京の人民大会堂で、会談相手のレオン・パネッタ米国防長官の到着を待つ習近平国家副主席(左から2人目)。会談で習氏は異例の強い口調で発言し、対日強硬派の一面をのぞかせた=19日(AP)

 シンクタンク研究者やデンマーク駐在武官など、これまで軍内の閑職を歴任してきた羅氏は、決して実力者といえない。軍の代表のような顔をして次々と挑発的な発言をする背景には、習氏の意向があると指摘する軍関係者がいる。

 羅氏の父親、羅青長氏は中国建国に関わった共産党古参幹部で、習氏の父親の習仲勲(しゅう・ちゅうくん)元副首相(1913~2002年)の元同僚だ。最近、テレビなどでよく登場し過激な発言を繰り返すもう一人の軍人、尹卓(いん・たく)海軍少将も羅氏と同じく、習氏の子供の時からの遊び仲間だった。

 党内の権力闘争で胡派に押されている習近平氏が唯一かろうじて対抗できるのは軍内の人脈である。若い頃に中央軍事委員会に3年ほど勤めたことや、妻の彭麗媛(ほう・れいえん)氏(49)が軍所属の人気歌手にして現役少将であること、そして軍内に太子党仲間が大勢にいることが、胡錦濤氏にない習氏の強みだ。

協調路線に不満の軍部

 近年の予算増加を背景に海外へ膨張したい軍は、「調和の取れた世界」をスローガンに掲げる胡錦濤政権の対外協調路線に不満がある。特に、尖閣問題などで胡主席の対応を「弱腰」と批判する軍関係者が多い。

 胡主席は若い頃、出身母体の共産主義青年団(共青団)で対日交流を担当した時期があり、日本に対し理解がある。党総書記就任後、日中の学者による共同歴史研究を支持し、東シナ海ガス田の共同開発を推進するなど、ほとんど効果がなかったが、日中関係の修復にそれなりの努力をした。尖閣問題を本音では穏便に処理したい思いがあるといわれる。

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