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県が二審逆転勝訴、松出シ瀬訴訟 遊漁規制は適法判断

(2012年9月20日午前7時03分)

 福井県坂井市三国町沖の好漁場「松出(まつだ)シ瀬(せ)」海域で、許可なくレジャー釣り(遊漁)することを禁止された金沢市の男性が規制は違法として、命令取り消しを福井県に求めた訴訟の控訴審判決が19日、名古屋高裁金沢支部であった。山本博裁判長は、県に命令取り消しを命じた一審福井地裁判決を取り消し、男性の請求を棄却した。県が逆転勝訴した。男性は上告する方針。

 漁業者や知事選任の学識経験者らでつくる「福井海区漁業調整委員会」が松出シ瀬での遊漁を原則禁止し、承認した船に限って一部海域で一定期間釣りができる、などとした2004年の指示が違法かどうかが争われた。

 山本裁判長は判決で「水産資源確保のため、松出シ瀬での漁業と遊漁の調整は合理性を有する。漁業者を一定程度優先することはやむを得ず、規制が裁量を逸脱しているとはいえない」とし、規制は適法との判断を示した。その上で「海洋性レクリエーションの価値も尊重されなければならず、今後も遊漁可能な範囲・期間を弾力的に調整することが必要」と指摘した。

 一審原告の遊漁愛好団体「石川県マリン協会」の吉岡末男会長(60)は取材に対して「漁業者と行政の既得権を守るだけの不当判決だ。規制を際限なく許すと全国で遊漁ができなくなる」と強調した。

 一審福井地裁は「松出シ瀬海域で釣りを継続的に禁じるのは漁業法が定める委員会の裁量権を逸脱している」との判決を言い渡し、県が控訴していた。

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