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<東北方言用例集>被災地医療に活用 国立国語研究所が作製

毎日新聞 9月21日(金)21時50分配信

<東北方言用例集>被災地医療に活用 国立国語研究所が作製
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東北方言オノマトペ用例集を作製した竹田さん=東京都立川市緑町の国立国語研究所で、平林由梨撮影

 「あだまぁ わやわやずぅ」って?−−。東日本大震災の被災地で「患者が話す言葉が分からない」という医師らの声を受けて作られた「東北方言オノマトペ(擬音語、擬態語)用例集」が、現場で活用されている。作製したのは国立国語研究所(東京都立川市)の非常勤研究員、竹田晃子(こうこ)さん(43)。各地で巨大地震の可能性が取りざたされていることから、来年度以降は同様の用例集の作製を全国の方言に広げる考えだ。

 用例集は青森、岩手、宮城、福島の4県で使われる体調や気分を表すオノマトペを言い換え、被災3県を中心に約900の医療機関に今春配布した。きっかけは震災直後、被災地の様子を伝えるテレビニュースを見ていた時だった。

 「おれ、いづ死ぬがど思ってだ」

 被災男性のインタビューに「おれ、いつ死ぬかと思ってた」とテロップがついた。竹田さんの専門は東北の方言。誤りにすぐ気づいた。「おれ、いつ死のうかと思っている」という自殺をほのめかす内容だった。「方言の壁が大きなことにつながりかねない」と直感した。

 何かできないかと思っていた昨夏、東北の研究仲間から「被災地の医療関係者が方言を理解する手助けになるものがほしい」と持ちかけられた。現地の医師や看護師からも「患者と1対1になると言葉が分からず、何もできない」といった声を耳にした。

 特に▽そげそげ(げっそり)▽ぱやぱや(ぼんやり)▽いかいか(ちくちく)−−といった東北独特のオノマトペがわかりにくいと聞き、60冊以上の方言集から体調や気分を表す言葉を収集。今年3月に用例集を完成させた。

 竹田さんは「本来ならば震災直後の混乱期にこそ、活用してもらえるようにすべきだった」と話すが、4月に長崎県から移住し、岩手県立大槌病院で診療を続ける医師、宮村通典さん(66)は「擬態語は独特で、初めは分からないものも多かった。診療の合間に用例集を使って勉強していた」と評価する。

 実際、医療現場から研修に使いたいとの反響もあるといい、竹田さんは今後、タブレット端末による検索などが可能かも検討する。【平林由梨】

最終更新:9月22日(土)0時23分

毎日新聞

 

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