呉旧交通局:バスカード在庫合わず 市都市部調査結果、1億8000万円分不足 /広島
毎日新聞 2012年08月31日 地方版
今年3月末に廃止された呉市交通局が保管していたバスカードや回数券が、帳簿上の在庫枚数と合わず、金額換算で約1億8000万円分が不足していたことが30日、分かった。市都市部が同日あった市議会産業建設委員会で「不適切な在庫確認と帳簿管理が原因」などとする調査結果を報告した。
廃止前の今年2月にあった定期監査で、帳簿と実際の在庫枚数の不整合が発覚した。市は旧交通局幹部や過去の出納担当者ら19人への聞き取り調査に加え、カードの納品や払い戻し数を記載する払戻元帳や出納明細書などの書類を確認。その結果、帳簿上は約22万6000枚あるはずのカードや回数券が、実際には約15万6000枚しかなかったという。差額は約1億8000万円に上った。
聞き取り調査で出納担当者は「定期的な在庫確認を怠った」「繰り越し分を手入力で転記しており、ミスが起きやすかった」などと説明。別の担当者は前任者から引き継いだ後、在庫枚数と帳簿が一致しないことに気付いたが、上司への報告を怠ったという。調査によると、約5万1000枚分は帳簿の誤記載が原因だったが、約1万9000枚(約4200万円分)は資料がなく不明という。