ホッとニュース 【9月22日03時05分更新】

解体に待った 北陸線で活躍のボンネット型

解体を免れ、小松市で展示される489系車両=今年5月15日、白山市内
 急行「能登」など約40年にわたり北陸線で活躍した国内最後のボンネット型489系 車両が解体を免れ、展示される見通しとなった。小松市の有志の働き掛けを受けて同市が 協力し、JR西日本も前向きに検討。同系車両の展示は国内で初めてで、早ければ来春に も小松駅前周辺に名列車が再び雄姿を見せる。

 489系は2010年3月の「能登」の定期便廃止を受け、引退した。金沢総合車両所 に所属していた3編成のうち2編成は既に処分された。残る1編成も今年度内に解体する ため5月に同所から白山市の総合車両所へ移動していた。赤とクリーム色の旧国鉄カラー と独特の形は引退後もファンの人気を集め、解体を惜しむ声が出ていた。

 小松市のNPO法人「ヘリテージ・オブ・レイル北陸」が展示を計画し、航空プラザな どを持つ「乗りもののまち」の小松とJR西日本に協力を要請した。同NPOは27日に 保存会準備委員会を発足させ、費用を工面するために募金活動も行う予定だ。

 JR西日本は地域貢献の一環でこれまでにも新潟県糸魚川市にキハ52系気動車を移譲 するなど自治体や鉄道事業者へ車両を譲渡しており、要請について「要望を聞き、しっか り検討していく」(広報担当)としている。

 交通科学博物館(大阪市)によると、旧国鉄のボンネット型車両は埼玉県の鉄道博物館 などごく一部で展示されている。

 大学時代にアルバイトで同車両の製造に関わった地域遺産プロデューサーの米山淳一日 本鉄道保存協会顧問(61)=神奈川県横須賀市=は「北陸ゆかりの列車が地元に残るの は大変素晴らしい。ぜひ地域活性化につなげてほしい」と期待した。


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